(読み)ゾク

デジタル大辞泉 「続」の意味・読み・例文・類語

ぞく【続〔續〕】[漢字項目]

[音]ゾク(呉) ショク(漢) [訓]つづく つづける
学習漢字]4年
〈ゾク〉とぎれないで引きつづく。つづける。「続行続出続続続編永続勤続継続後続持続接続相続存続断続陸続連続
〈ショク〉つづける。「続命
[名のり]つぎ・つぐ・ひで
[難読]続飯そくい

ぞく【続】

つづき。続編。「正二巻からなる作品」
書名などに付いて、それのつづきのものであることを表す。しょく。「膝栗毛」「文章規範」

しょく【続】

ぞく(続)」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「続」の意味・読み・例文・類語

つづき【続】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「つづく(続)」の連用形名詞化。古くは「つつき」か )
  2. 同じ状態や関連が保たれること。また、そういう状態のもの。
    1. [初出の実例]「朝日さす嶺のつづきはめぐめどもまだ霜ふかし谷のかげ草〈崇徳院〉」(出典:新古今和歌集(1205)釈教・一九四六)
    2. 「馗一が続きの六畳間のほうへ行きながら、二人に言った」(出典:不意の声(1968)〈河野多恵子〉)
  3. 子孫・血統などが、代々続いていくこと。継承すること。
    1. [初出の実例]「天孫則ち、言(のた)まはく、汝、生子八十連属(やそツツキ)の裔に、貧鉤、狭々貧鉤」(出典:日本書紀(720)神代下(鴨脚本訓))
    2. 「しかればまづ帝王の御つづきをおぼえて、つぎに大臣のつづきはあかさんと也」(出典:大鏡(12C前)一)
  4. 続いていく状態。続きぐあい。つながり方。また、その関係。
    1. [初出の実例]「あた人といふ五文字を、やすめところにうち置きて、ことの葉のつづきたよりある心ちすべかめりなど笑ひ給」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)
    2. 「貴様玉句近年つづきおとなしく候」(出典:式之・槐市宛芭蕉書簡‐元祿三年(1690)一月五日)
  5. 前から続いている部分。あとに続いている部分。
    1. [初出の実例]「うれしきもの〈略〉人の破(や)り捨てたる文を継ぎて見るに、同じつづきをあまたくだり見続けたる」(出典:枕草子(10C終)二七六)
    2. 「最前小野さんから借りた書物を開いて続(ツヅキ)を読んでゐる」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉二)
  6. ( 他の語に付けて用いる )
    1. (イ) 同じ状態が途切れないで続くこと。
      1. [初出の実例]「天気続(ツヅ)きにポクリポクリほこりのたつ白い道を」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉三)
    2. (ロ) ある物に、間を置かず続いていること。また、そのもの。
      1. [初出の実例]「吉野山消えせぬ雪と見えつるは嶺つづき咲く桜なりけり〈よみ人しらず〉」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)春・四一)
    3. (ハ) いくつかのものがつながっていること。また、そのもの。「ひとつづきの話」
  7. 救援すること。応援のために軍を出すこと。
    1. [初出の実例]「乍去、自然俄之続などの時者、役人迄可申由候也」(出典:上井覚兼日記‐天正三年(1575)二月一二日)
  8. つづききょうげん(続狂言)」の略。
    1. [初出の実例]「続(ツヅキ)の内ふづまりなれば、中場立て末を見ぬ」(出典:浮世草子・新色五巻書(1698)五)

つづけ【続】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「つづける(続)」の連用形の名詞化 )
  2. 続けること。つなげること。継続させること。多く、他の動詞などに付けて、その動作・状態が継続することを表わす。
    1. [初出の実例]「増抵当や追ヂキに追はれ続けで」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉鉄道国有)
  3. 能や長唄大鼓小鼓手組の名。ほぼ等間隔に打たれ三ツ地とともに基本的な手組。
    1. [初出の実例]「つづけ二ツ打所に、長地一にてあわせのたぐひ、それも所によるべけれども」(出典:随筆・独寝(1724頃)上)

ぞく【続】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 つづくこと。また、つづきに当たるもの。つづき。
    1. [初出の実例]「京大阪および芸州宮嶋までの長丁場を歴て、帰がけの駄賃に、今年続(ゾク)五編、岐蘇路にいたる」(出典:滑稽本東海道中膝栗毛‐発端(1814)序)
    2. [その他の文献]〔史記‐項羽本紀〕
  2. [ 2 ] 〘 接頭語 〙 書名などの上に付いて、その書物のつづきであることを表わす。「続膝栗毛」など。

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普及版 字通 「続」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)續
21画

[字音] ゾク・ショク
[字訓] つぐ・つづく・つらなる

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は續に作り、(とく)声。(とく)の省文。〔説文十三上に「なるなり」と訓し、重文として(こう)をあげているが、これは「続」のように連用するが別の字である。續は糸の連続することをいう。

[訓義]
1. つぐ、つづく、つなぐ、つらなる。
2. つぎなわ、いと。
3. 贖と通じ、つぐなう。

[古辞書の訓]
名義抄〕續 ツグ・ツラヌ・ツムグ・ツグノフ 〔立〕續 ツラヌ・サキ・トヅ・ツムグ・ワキ・タスク・ウム・ネヤ・トヂツ

[熟語]
続継続弦・続後・続行・続刻・続骨続魂・続嗣・続室・続世・続成・続娶・続然・続短・続断・続貂・続魄・続鳧・続母・続命
[下接語]
永続・継続・更続・後続・膠続続・嗣続・持続・緝続・紹続・相続・存続・断続・補続・陸続・縷続・連続

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