痛み入る(読み)イタミイル

デジタル大辞泉 「痛み入る」の意味・読み・例文・類語

いたみ‐い・る【痛み入る/傷み入る】

[動ラ五(四)]相手の手厚い配慮・好意などに対して、深く感じいる。恐縮する。やや皮肉をこめていうときにも用いる。「御親切―・ります」
「此挨拶には―・って返事が出来なかった」〈漱石坊っちゃん
[類語]恐縮有り難い謝る謝するわびわび言平謝り陳謝謝罪多謝わびるかたじけないうれしいもったいないおそれ多い幸甚恐懼きょうく恐れ入る心苦しい身に余る過分かしこまる畏れる謹むしゃちほこばる固くなる縮こまる小さくなるまじめ腐る身の縮む思い畏怖恩義恩に着る頭を下げる腰をかがめる平身低頭身に過ぎる三拝九拝深謝感謝拝謝万謝謝意謝恩感佩かんぱいかしこくも感恩有り難がる言葉に甘えるお言葉に甘える厚意多とする感極まる感じ入る感に堪えない身に染みる思いやり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「痛み入る」の意味・読み・例文・類語

いたみ‐い・る【痛入】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 他人から寄せられた親切、好意、手厚い待遇などを、自分にはもったいないこととして心に深くすまないと思う。恐縮する。恐れ入る。
    1. [初出の実例]「昨夕は以外御煩候ける。傷入候」(出典:醍醐寺文書‐(年月日未詳)(室町)大僧正満済書状土代)
    2. 「あまり慇懃(いんぎん)なるあひさつにいたみ入」(出典咄本・軽口露がはなし(1691)三)
  3. うまく意表をつかれて、やられたと心に強く感じる。また、あつかましい態度などにあきれる。恐れ入る。
    1. [初出の実例]「夫(それ)なる死骸は引きとられよと、痛(イタミ)いらせる挨拶に」(出典:談義本・地獄楽日記(1755)二)
    2. 「さう無遠慮ではとっともう痛み入る」(出典:桐一葉(1894‐95)〈坪内逍遙〉一)
  4. 苦痛に思う。弱る。困る。
    1. [初出の実例]「物にこえて痛入しは、蛇、鼠、いたちやうの物、床の上に親しみ来て」(出典:太閤記(1625)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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