貴族院[日本](読み)きぞくいん[にほん]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貴族院[日本]」の意味・わかりやすい解説

貴族院[日本]
きぞくいん[にほん]

貴族を中心とする議員によって構成される議院。第2次世界大戦前の日本の帝国議会に置かれていた。皇族華族および勅任議員で構成される。華族のうち公侯爵は全員議員となり(終身),伯子男爵の場合は同爵位者の互選によった(任期 7年)。勅任議員には,多額納税者および帝国学士院会員でそれぞれ互選された者につき勅任された者(任期 7年),ならびに勅選議員(終身)とがあった。現行憲法上の参議院と異なり衆議院とは対等で,反政府的な衆議院を牽制する役割を担っていた。組織については,貴族院令(明治22年勅令11号)に定められていたが,この法令の改正には貴族院の議決を要するだけで,衆議院の関与する余地がなかった。したがって改正は 6回行なわれたが,根本的な改革はできず,議員の選任などによる資格,定数,任期などについて必要な規定の改廃が行なわれたにすぎなかった。議事手続に関しては,議院法(明治22年法律2号)が規定していた。

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