日本大百科全書(ニッポニカ) 「追分(街道の分岐点)」の意味・わかりやすい解説
追分(街道の分岐点)
おいわけ
幹線街道(本街道)から支線街道(枝線街道)への分岐点をいい、そこに発達する集落名にもされる。駄馬や駄牛などを左右に追い分ける意味から転じた。追分は交通者の休息地とされることが多く、茶屋や飯屋が設けられ、さらに商業地や、流通の拠点に発展する場合もある。たとえば、信州の追分(長野県軽井沢町)は中山道(なかせんどう)と北国(ほっこく)街道との分岐点、東京都文京区本郷(ほんごう)の追分は、中山道と岩槻(いわつき)街道との分岐点にあたる。また、鉄道の開通後も、道路交通時代と同じく、幹線鉄道から支線への分岐点となり、近代的市街地として発展を続けている場合も多い。北海道の追分町(JR室蘭(むろらん)本線と石勝(せきしょう)線との分岐点)などがその例である。
[浅香幸雄]