(読み)セン

デジタル大辞泉 「選」の意味・読み・例文・類語

せん【選】[漢字項目]

[音]セン(呉)(漢) [訓]えらぶ える よる
学習漢字]4年
より分けてえらぶ。えらぶこと。「選挙選曲選鉱選手選択選定選別改選官選人選精選特選入選予選落選
詩文をえらび集めた書物。「文選もんぜん唐詩選
[名のり]かず・かつ・のぶ・よし・より

せん【選】

多くのものの中から、すぐれたものや条件に合うものなどを選ぶこと。「短歌にあたる」「にもれる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「選」の意味・読み・例文・類語

せん【選・撰】

  1. 〘 名詞 〙
  2. えらぶこと。多くの中からよりぬくこと。
    1. [初出の実例]「まことに非細の職にあらざれども、選にあたらん自己としては自愛しつべし」(出典:正法眼蔵(1231‐53)礼拝得髄)
    2. 「選に洩れた連中と」(出典:入れ札(1921)〈菊池寛〉)
    3. [その他の文献]〔春秋左伝‐襄公九年〕
  3. 律令的官制で、所定の勤務成績をあげた官吏をえらんで叙位すること。
    1. [初出の実例]「制七条事。准令。諸長上官遷代。皆以六考限。余色得選。色別加二考。以十二考選限」(出典:続日本紀‐慶雲三年(706)二月庚寅)
  4. 律令制で、人格・能力・業績にしたがって官職を授けること。
    1. [初出の実例]「凡応選者。皆審状迹。〈謂。考中功過。謂之状也。履行善悪。謂之迹也〉銓擬之日。先尽徳行。徳行同。取才用高者。才用同。取労効多者」(出典:令義解(718)選叙)
  5. せん(撰)
  6. せんきょ(選挙)」の略。「総裁選

えり【選】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「える(選)」の連用形名詞化 ) 選ぶこと。
    1. [初出の実例]「後白川の法皇の御孫えりの時、泣き給しによりて、位にも即かせ給はざりしかば」(出典:増鏡(1368‐76頃)三)

えらみ【選】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「えらむ(選)」の連用形の名詞化 ) =えらび(選)
    1. [初出の実例]「此撰みの事を」(出典:近世畸人伝(1790)題言)

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普及版 字通 「選」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

(旧字)
16画

[字音] セン
[字訓] そろう・えらぶ

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
声符は(巽)(そん)。神前の舞台で、二人並んでい舞をする形。これを神に献ずることをという。〔説文〕二下に「(つか)はすなり」と、選と遣の畳韻を以て訓するが、・選は神に対する行為であり、神に供えることを饌(せん)という。〔詩、斉風、猗嗟〕「へば則ち(ととの)ふ」とは舞いそろうさま。それより、すぐれる、えらぶなどの意となる。〔説文〕に「一に曰く、擇ぶなり」(段注本)とあり、のちその義に用いる。

[訓義]
1. そろう、ととのう、ひとしい、舞いそろう。
2. よい、すぐれる。
3. えらぶ、かぞえる。
4. やる、おくる、つかわす。
5. 旋と通じ、はやい、めぐる。

[古辞書の訓]
名義抄 エラブ・スグレタリ・トトノフ・ヒトシ・シバラク・カゾフ・イル・キス 〔字鏡集〕 セツ・エラブ・イル・カゾフ・スグレタリ・カズ・スミヤカ・シバラク・トトノフ

[語系]
siuan、sunは声義近く、は〔説文〕五上に「(そな)はるなり」とし、dzhianも同訓。舞人の数の備わることをいう。その舞う姿をといい、という。旋ziuanも声義近く、旋とは軍の運旋することをいう。

[熟語]
選閲・選学・選官選揀・選間選簡・選擬・選具・選賢・選建・選言・選考・選差・選才・選刷・選試・選次・選事・選取・選首選授選集・選充・選叙・選除・選勝・選場・選職・選進・選人・選推・選選曹・選卒・選択・選選徒選任・選舞・選文・選兵・選補選鋒・選用・選練・選楼・選録
[下接語]
英選・改選・魁選・官選・揀選・簡選・決選・厳選・互選公選・更選・高選・再選・私選・自選・殊選・充選・招選・上選・新選・人選・推選・清選・盛選・精選・銓選・選・抽選・勅選・当選・特選・徳選・入選・抜選・比選・被選・補選・邦選・妙選・民選・明選・優選・預選・落選

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