長光寺(読み)ちようこうじ

日本歴史地名大系 「長光寺」の解説

長光寺
ちようこうじ

[現在地名]稲沢市六角堂町

興化山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊地蔵菩薩。東の表門仁王門(市指定文化財)をくぐると六角円形の地蔵堂があり、六道能化の本願を表すと伝えられ、通称六角ろつかく堂という。寺伝によると、応保元年(一一六一)池大納言平頼盛の寄進で建立され、奉行は弥平衛宗清、大工は大和法隆寺大工の元勝。延元三年(一三三八)足利尊氏が七〇〇石の寺領を寄進して復興し、法相宗に属し寛林かんりん院と号した。その後真言宗も兼ねたが、禅宗に改め、元禄四年(一六九一)住持崑山が京都妙心みようしん寺七世実性を中興開山に勧請。


長光寺
ちようこうじ

[現在地名]近江八幡市長光寺町

長光寺町の中央部、瓶割かめわり山の北山麓に位置し、北側を近世の中山道(古代東山道)が通る。瓶割山と号し、高野山真言宗。本尊は千手観音。付近には白鳳期から平安期にかけての長光寺遺跡がある。これは当寺の前身、武佐むさ寺の寺跡ともいわれ、また中世の史料では武佐寺と記されることもある。「源平盛衰記」巻三九によると、文治元年(一一八五)生捕りにされた平重衡は鎌倉下向の途次「長光寺に参て、本尊の御前に暫念誦」した。同書によれば当寺は武川綱の草創、開基は聖徳太子で、古くは武佐寺といったとして、太子后高橋妃の出産にまつわる草創の奇譚を記す。


長光寺
ちようこうじ

[現在地名]高岡市石堤

旭階山と号し、浄土真宗本願寺派。本尊阿弥陀如来。織田陸奥守氏知が出家して超円と名乗り、応安二年(一三六九)天台宗より浄土真宗に帰依したという(貞享二年寺社由緒書上)。二代超善、三代善勝、四代超宗。五代超円の永正一二年(一五一五)一一月二〇日に本願寺九代実如より阿弥陀如来絵像を下付された(「由緒書」寺蔵)。往時より石堤いしつつみにあり、京都興正こうしよう(現京都市下京区)門徒であった。


長光寺
ちようこうじ

[現在地名]水沢市 寺小路

てら小路のうち江戸時代に北横丁とよばれたところにある。無量寿山と号し、時宗。本尊阿弥陀如来。留守家任(長光寺殿)の開基と伝える。家任は一遍の流れをくむ桂光院其阿に二二年間師事、剃髪して松阿弥陀仏(別号松法師)と号し、文和元年(一三五二)宮城郡南宮なんぐう(現宮城県多賀城市)に一宇を建立、其阿を開祖としたという。寛永六年(一六二九)留守宗利とともに水沢に移転した。


長光寺
ちようこうじ

[現在地名]飯能市下直竹

直竹なおたけ川河畔にある。曹洞宗。鳳林山と号し本尊は釈迦如来。「風土記稿」や寛永一五年(一六三八)の銅鐘銘および寺伝などによれば、貞治五年(一三六六)陸奥黒石正法くろいししようぼう(現岩手県水沢市)の通海良義によって創建されたという。その後戦国期に能仁のうにん寺四世格外玄逸が当寺九世として中興開山となり、寛永年間(一六二四―四四)には小瀬戸こせど村に居住していた岡部忠正が本堂の修繕や山門の建立などを行ったという。慶安元年(一六四八)八月一七日の三代将軍徳川家光の朱印状により寺領一五石が安堵され、以後九通の朱印状が残されている。


長光寺
ちようこうじ

[現在地名]鹿沼市見野

見野みのの北部山麓にある。護竜山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。応安三年(一三七〇)の創建と伝え、もとは臨済宗であったという。享禄年中(一五二八―三二)玉田の瑞光たまだのずいこう寺八世妙極によって中興され、曹洞宗になったという。明和四年(一七六七)境内菊沢きくさわ山崩れによって土中から唐銅塔一基・鏡一面・古銭が発見された。唐銅塔には正観音銅像が納められており、鏡の表には興国四年(一三四三)三月吉日付で「当塗王経一字三礼一品一銭千部 宝祚興久兼藤三位資通卿公冥福 藤従一位宣房卿公福寿 不二行者授翁敬白」と刻してあった。


長光寺
ちようこうじ

[現在地名]羽生市今泉

藤井ふじい落東側の低地に位置する。曹洞宗、山号は鷲泉山。本尊はかつて釈迦如来であったが、現在では聖観音。開創時期は不明だが、開山の藤井上組源長ふじいかみぐみげんちよう寺三世徳巌正道は元和三年(一六一七)没しているので、それ以前であろう。開基はかつて今泉いまいずみ村の名主を勤めていたという斎藤内左衛門と伝え、寛永一〇年(一六三三)没した(風土記稿)


長光寺
ちようこうじ

[現在地名]境町境

境集落のほぼ中央部に位置。天台宗、小柴山と号する。本尊は阿弥陀如来。「佐波郡誌」に「応永年間僧元高が創建し、元和年間僧晃海の再興と謂ふ。又一説には小此木左衛門源長光の開基とも云ふ。詳ならず」とある。「伊勢崎風土記」には小此木左衛門長光の開基とある。「長楽寺永禄日記」永禄八年(一五六五)七月一五日条に「其過テ境ヘ行、一返施餓鬼ニ長興ニテヨミ」とあり、この長興は当寺とされている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「長光寺」の解説

長光寺

愛知県稲沢市にある臨済宗妙心寺派の寺院。境内中央に六角円堂の形をした地蔵堂があり、中に鉄地蔵尊が安置される。地蔵堂は国指定重要文化財。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

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