出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
中国の古刀。(1)長刀(なぎなた)状の刀。その名は中国近世の白話小説のなかに散見する。『三国志演義』第1回には、三国時代、蜀(しょく)の武将、関羽(かんう)(?―219)が自分の刀として「青竜偃月(えんげつ)刀」をつくらせ、「冷豔鋸(れいえんきょ)」と名づけたとある。また、『水滸(すいこ)伝』第76回には、「青竜刀、偃月刀」と並記されている。青竜という称は、刃の形状からつけられたという。(2)重さで切る蕃刀(ばんとう)に似た大太刀(おおたち)に対し、日本人がつけた呼称。おそらく(1)の名称の転用で、始まりは江戸末期から明治初期にかけてのころであろう。柄頭(えがしら)は環で、刀身は反って先が広く、皮の鞘(さや)に入れて背負う。
[中野 達]
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