銃剣(読み)じゅうけん(英語表記)bayonet

翻訳|bayonet

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「銃剣」の解説

銃剣
じゅうけん
bayonet

小銃に装着するために設計された短。鋭い刃をもち,刃の先端がとがっているものもある。 17世紀前半にフランスのバイヨンヌ地方で開発されたといわれ,当時の武将ピュイセギュールの回顧録にはすでに「バイヨネット」の記述が残されている。初期の銃剣は長さ約 30cmのまっすぐな両刃の剣に,同じ長さで先細の木製の柄がつき,マスケット銃の銃口に差し込める形をしていた。これをかなり短くしたものが,歩兵の槍に代わる新兵器としてヨーロッパ各地に普及した。この差し込み式銃剣と呼ばれる初期の銃剣にはいくつかの重大な欠陥があった。たとえば,いったん銃剣を銃口に差し込むと,着剣状態では銃弾を発射できなかった。しかも差し込み方がきつすぎると簡単に引き抜くこともできなかった。 1689年には,柄に複数の輪 (リング) をつけて銃口のまわりに固定しやすくした新型が登場した。さらに,それに代わるものとして普及したソケット式銃剣は,1688年フランス陸軍で軍事技術者を務めていたセバスティアン・ル・プレストル・ド・ボーバンが導入したものである。これには銃口下に滑らせるスリーブがあり,銃身上に設けた突起が差し込み口の溝に直角にはまって固定できるようになっていた。たいてい三角形の断面をもつ刃が使われた。このボーバンのソケット式銃剣に少し手直しを加えたものが,のちに銃剣の基本形として定着した。 19世紀には,鋸歯状の歯をつけた銃剣も登場し,作業用具としても使えるようになった。塹壕掘削用具として設計された銃剣もある。連射式の銃が開発されると戦闘における銃剣の価値は大幅に減った。それでも第1次世界大戦,第2次世界大戦の間,柄付きの汎用ナイフとして使われた。小銃に装着していないときはさやに入れて携帯した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「銃剣」の解説

銃剣
じゅうけん

兵士が携帯する軍用短剣で、銃に装着するものと、銃の前部に畳んであるものとがある。おもに鋼鉄製で、形も長身・短身・両刃・片刃・錐(きり)形などのほか、片面が鋸(のこぎり)・やすり状のものもある。本来は銃に装着して「銃剣術」という技術で用いる近接格闘用兵器だが、儀仗(ぎじょう)・行進・衛兵の威容を整える役割も果たす。銃剣のみで狭い陣地内格闘や、伐開、掘削、料理、応急手当てなどにナイフがわりに使用する場合もある。

[寺田近雄]

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精選版 日本国語大辞典「銃剣」の解説

じゅう‐けん【銃剣】

〘名〙
① 銃と剣。また、武器の総称。
※歩兵操典(1928)第一一四「自己の銃剣に信頼し最後の勝利を求むることに勉むべし」
② 小銃の先につける剣。また、その剣を先につけた小銃。白兵戦、突撃などの時に小銃の先につけて、格闘に使用する。けんつきでっぽう。銃槍
※西洋聞見録(1869‐71)〈村田文夫〉後「銃剣をバヨネットと呼び」

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デジタル大辞泉「銃剣」の解説

じゅう‐けん【銃剣】

銃と剣。また、武器の総称。
銃の先につける剣。ふだんはさやに収め腰につけていて、突撃や接近戦のときに装着する。また、その剣をつけた小銃。
[類語]けんつるぎ刀剣太刀大刀たち大刀だいとう名刀宝刀軍刀牛刀日本刀青竜刀サーベル手裏剣真剣小刀しょうとう短刀懐刀ふところがたな懐剣脇差し小柄匕首あいくちどす人斬り包丁快刀業物木刀木剣木太刀竹光長刀なぎなた

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