日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーベル」の意味・わかりやすい解説 サーベルさーべるsaber 洋式刀のこと。原型はサラセンの海賊の武器で、それから変型した長剣が、14世紀以来ドイツ地方で用いられていたといわれる。1670年にフランスのルイ14世が騎兵用の武器として採用してから、ヨーロッパ各国に普及し、騎兵隊の武器、および高級軍人の礼装用などに採用された。旧日本軍においても、日本刀より軽量で、かつ片手で扱えるため、明治時代から指揮刀、騎兵用の武器として採用し、また警察官も1882年(明治15)以来携帯していたが、太平洋戦争後廃止された。現在では自衛隊の礼式用に使われている。なお、フェンシングのサーブルはこの一種である。[小橋良夫][参照項目] | 刀剣 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サーベル」の意味・わかりやすい解説 サーベルsabre; saber 軍用の刀。 18世紀頃オリエント (→中東 ) から移入されたハンガリー騎兵の長刀に由来し,以後ヨーロッパ,アメリカ合衆国で使われた軍刀の大部分を占めた。片刃で,先端が鋭い。日本では旧軍隊,また 1947年の改革以前の警察で広く使用された。競技用に使われるサーベルは,19世紀にイタリアで決闘用に開発されたもので,比較的軽く,短く,刃の線に対して水平方向に柔軟である。フェンシング競技では「サーブル」と発音される。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報