(読み)シツ

デジタル大辞泉 「執」の意味・読み・例文・類語

しつ【執】[漢字項目]

常用漢字] [音]シツ(慣) シュウシフ)(呉)(漢) [訓]とる
〈シツ〉
手にとる。「執刀執筆
とり行う。「執行執政執務
とりついて離れない。「執拗しつよう確執固執
〈シュウ〉とりついて離れない。「執心執着執念我執固執偏執妄執
[名のり]もり

しゅう〔シフ〕【執】

物事を深く思い込んで、それにとらわれること。執着の心。執念。
「かかればこそは、何事にも―は留めじと思ふ世なれ」〈横笛

しゅう【執】[漢字項目]

しつ

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精選版 日本国語大辞典 「執」の意味・読み・例文・類語

しゅうシフ【執】

  1. 〘 名詞 〙 一つのことに深くとらわれること。ある物事を深く思いこんで忘れないこと。執念。執着。
    1. [初出の実例]「なほ、みづからつらしと思ひ聞えし心のしふなむ、とまるものなりける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)

とる【執】

  1. 〘 名詞 〙 民間暦でいう十二直(じゅうにちょく)の一つ。家造り、井掘り、種蒔き、婚礼、取入れには吉、移徙(いし)出行蔵開きなどには凶とされる。〔暦日諺解(1789)〕

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普及版 字通 「執」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] シツ
[字訓] とらえる・とる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
幸+(げき)。幸は手械(てかせ)の形。手にかせを加えて、罪人拘執することをいう。〔説文〕十下に「人(ざいにん)を捕ふるなり」(段注本)とし、字を(じよう)の亦声とするが、卜文・金文字形は両手に併せて械を加える形である。拘執の意より執持の意となり、執事・執行、また執礼などのように用いる。

[訓義]
1. とらえる、罪人をとらえる、手械を加える。
2. とる、ものをとりもつ、かたくとる、とりまもる。
3. おこなう、はからう、処理する。
4. と通じ、つなぐ、むすぶ。

[古辞書の訓]
名義抄〕執 トル・トラフ・マモル・マサル/執 スマフ 〔字鏡集〕執 トラフ・トル・ムスブ・マサシ・モツ・マモル

[声系]
〔説文〕に執声として・蟄・など十三字を収めるが、(てん)の声系のものは、おそらく別系のものであろう。また〔説文〕に摯・鷙をみな会意とするが、執声の字にはその声義を承けるものが多い。

[熟語]
執衣執夷・執意・執一・執引・執鋭・執役執鉞執謁執柯・執蓋・執干・執簡・執玩・執義・執恭・執業・執圭執戟・執結・執見・執剣執牽執権・執憲・執古・執・執行・執拘執衡・執獄執笏・執策執爨・執使・執質執贄・執事・執持執爵・執手・執囚・執脩執讐・執盾執徐・執・執掌・執照・執丈・執仗・執杖・執信・執鍼・執訊・執刃・執袵・執政・執筮・執節・執奏・執滞・執中・執誅・執念・執縛・執搏・執披・執轡・執筆・執符・執・執・執柄・執兵・執鞭・執捕・執捧・執法・執務・執迷・執友・執拗・執略・執礼・執路・執労・執録
[下接語]
我執・確執・共執・禁執・固執・拘執・宰執・侍執・持執・掌執・親執・搏執・文執・秉執・偏執・迷執・妄執・友執・幽執

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