我執(読み)ガシュウ

デジタル大辞泉 「我執」の意味・読み・例文・類語

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「我執」の意味・読み・例文・類語

が‐しゅう‥シフ【我執】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。個体的な自我を実体視して執着すること。我見。→
    1. [初出の実例]「今世の行者、〈略〉我執(ガシフ)偏増にして」(出典発心集(1216頃か)七)
    2. 「あらゆる我執を離れて、正直に懺悔し得られると思った」(出典:煤煙(1909)〈森田草平〉一九)
    3. [その他の文献]〔倶舎論‐二九〕
  3. 自我を貫くこと。自分の意見をがんばって通すこと。
    1. [初出の実例]「藤村文学のライト・モチイフをなす祈りの背後には〈略〉怪物的な孤独と我執とが、低音ではあるがはっきり響いてゐます」(出典:風俗小説論(1950)〈中村光夫〉近代リアリズムの発生)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「我執」の意味・わかりやすい解説

我執
がしゅう
ātmagrāha

仏教用語。自身存在なかに実体的な我があると考え執着すること。あらゆる存在に本質として実体的なものがあると執着する法執 (ほっしゅう) とともに仏教では排斥される。我見,我想,人我想ともいわれる。一般には自分の意見に固執すること。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

普及版 字通 「我執」の読み・字形・画数・意味

【我執】がしゆう

自分一人の見解に執着する。

字通「我」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

106万円の壁

会社員に扶養されるパートら短時間労働者は年収106万円以上になると厚生年金保険料などの負担が生じて手取りが減る。将来の年金額は手厚くなるが、働き控えを招く「壁」とされ、企業の人手不足の要因となる。厚...

106万円の壁の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android