偏執(読み)ヘンシュウ

デジタル大辞泉 「偏執」の意味・読み・例文・類語

へん‐しゅう〔‐シフ〕【偏執】

[名](スル)《古く「へんじゅう」とも》
かたよった考えをかたくなに守って他の意見に耳をかさないこと。へんしつ。「自説偏執する」
他をねたましく思うこと。
さては何者ぞ―を起こし害せしか」〈浄・出世景清
[類語]頓着執着執心固執我執囚われるめろめろぞっこん首ったけのめり込む入れ込む夢中血道を上げる骨抜きいかれる溺れるふける凝る耽溺たんでき惑溺深入りはまるはまり込む身を焦がす狂おしい物狂おしい入れあげる病み付きとりこ心酔心ここにあらず心を奪う狂わしい悩ましい熱狂的悶悶もんもん惑乱切ないやりきれない思い乱れる思い悩む思い焦がれるむな苦しい息苦しい重苦しい苦痛る瀬無い憂さ憂い不如意堅苦しい気詰まり忍びないエキセントリック逆上のぼせるのぼせるアブノーマル常軌を逸する乱心取り術無い辛酸をなめる心を痛める艱難かんなん思い煩う

へん‐しつ【偏執】

へんしゅう(偏執)」に同じ。

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精選版 日本国語大辞典 「偏執」の意味・読み・例文・類語

へん‐しゅう‥シフ【偏執】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古く「へんじゅう」とも )
  2. 仏語。片寄った執着。一つの考えに固執すること。偏見によって他の意見を受けつけないこと。片意地なこと。へんしつ。へんしゅ。
    1. [初出の実例]「欲大士不偏中之行新発及二乗之分別偏執也」(出典:維摩経義疏(613)観衆生品第七)
    2. 「太政入道は極たる大偏執(ヘンシフ)の人にて」(出典:源平盛衰記(14C前)三)
  3. 他をうらやみそねむこと。他をねたましく不愉快に思うこと。へんしつ。へんしゅ。
    1. [初出の実例]「それは人のへんしうにて、かれをそねみ雑説すると覚へたり」(出典:浄瑠璃・以呂波物語(1684頃)二)

へん‐しゅ【偏執】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「へんじゅ」とも )
  2. へんしゅう(偏執)
    1. [初出の実例]「当家も他家も推並て偏執(ヘンシュ)の心を失ひつつ」(出典:太平記(14C後)一四)
  3. へんしゅう(偏執)
    1. [初出の実例]「義経をへんじゅするぞ。目な見やりそ」(出典:義経記(室町中か)五)

へん‐しつ【偏執】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しつ」は「執」の慣用音 ) =へんしゅう(偏執)
    1. [初出の実例]「一種の偏執(ヘンシツ)なる儒教的教育を受けたお庸(つね)が」(出典:恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「偏執」の読み・字形・画数・意味

【偏執】へんしゆう(しふ)

固執する。宋・軾〔詳定役法を罷(や)むることを乞ふる子〕臣~見る執、詳定役法を罷めんことを乞ふ。~臣、に同じからず。~早(すみ)やかに罷(ひめん)を賜はらんことを乞ふ。

字通「偏」の項目を見る

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