「延喜式」に
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長野県西部の川。信濃川の最大の支流である犀(さい)川の主要支流。槍ヶ岳に源を発し,北アルプスの奥山と前山の間を南流して,松本盆地に出る。ここからは北流して,松本盆地の中央部で,木曾地方から流れてくる奈良井川と合流して犀川となる。北アルプスを刻んで流れる梓川の渓谷美は日本でも一流で,上高地,大正池をはじめ,多くの景勝地に恵まれて,中部山岳国立公園を代表する地域になっている。
槍ヶ岳に発した梓川は,穂高連峰の東麓を流れ,徳沢付近で谷の幅がやや広くなり,明神岳南麓には穂高神社の奥宮がある明神池がある。さらに小梨平や上高地にまで下ると,梓川の河谷は広くなり,多くの宿泊施設がある。1915年(大正4)6月焼岳が大爆発して,大量の泥流を押し出して,梓川をせき止めたため,霞沢岳と焼岳との間に40km2の大正池が出現した。その後焼岳の噴出した火山物質が池を埋没して,現在その面積は半減している。梓川水系の電源開発は,20年代から進められて,有効落差450mをもつ霞沢発電所をはじめ多くの発電所が建設された。第2次世界大戦後堤高155mの奈川渡ダムをはじめ水殿(みどの),稲核(いねこき)の大ダムが設けられて,梓川の中流以下の景観は一変した。揚水式発電によって梓川水系では最大出力96万kW(1997)を発電,京浜地方に送電している。なお稲核ダムで引水した中信平農業用水事業によって,松本盆地南部1万haの灌漑がなされている。梓川水系には,上高地,中房,坂巻,白骨(しらほね)などの温泉も多い。松本盆地に出た梓川は,半径9kmにもおよぶ扇状地をなすが,盆地を構成する扇状地群の中では最大で,堆積した古生層の土壌は肥沃なため耕地化が進んでいる。
執筆者:市川 健夫
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長野県中西部、南安曇郡(みなみあずみぐん)にあった旧村名(梓川村(むら))。現在は松本(まつもと)市の中央部を占める。2005年(平成17)松本市に編入。旧村域は松本盆地西部に位置する。梓川と黒沢川の扇状地上にあり、乏水地のため大正時代まではアカマツ林が多かった。その後、桑畑が増え、現在はリンゴ、モモが多くなり、水稲と果樹の産地になった。梓川が松本盆地へ流出する出口にある八景山(やけやま)地区は梓川谷からの牛による駄賃かせぎで知られていた。運搬荷物は材木、ワラビ粉が主であった。国指定重要文化財の阿弥陀如来(あみだにょらい)を有する真光寺(しんこうじ)や、本殿が国指定重要文化財の大宮熱田神社、若宮八幡宮(はちまんぐう)がある。
[小林寛義]
長野県中西部を流れる川。犀川(さいがわ)の支流。槍ヶ岳(やりがたけ)南東側斜面の槍沢雪渓などを源頭として流出し、上高地(かみこうち)を経て、島々(しましま)地区で松本盆地に出、松本市北方で奈良井川(ならいがわ)と合流し犀川となる。延長77キロメートル。島々までは上高地の小盆地を除き、深い侵食谷を形成し、この谷が松本から高山や上高地への唯一の通路になっている。勾配(こうばい)が急で峡谷のため水力発電に利用され、中流には1970年(昭和45)完成の奈川渡ダム(ながわどだむ)(梓湖)、下流には水殿(みどの)、稲核(いねこき)ダムが続く。松本盆地では広い扇状地を形成し、水田地をなす。
[小林寛義]
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