ウェルナー(英語表記)Werner, Abraham Gottlob

  • Abraham Gottlob Werner
  • Alfred Werner
  • Heinz Werner
  • Werner
  • Werner, Alfred
  • Werner, Gregor Josef
  • Werner, Heinz
  • Werner, Pierre
  • Werner, Wendelin
  • Wöllner, Johann Christoph von

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

[生]1750.9.25. ザクセン,ベーラウ
[没]1817.6.30. ドレスデン
ドイツの地質学者,鉱物学者。フライベルク鉱山学校ライプチヒ大学に学ぶ。フライベルク鉱山学校教授 (1775) 。ここでの彼の活躍により同校は世界的な研究の中心となり,門下から多くの名な地質学者が出た。フランス科学アカデミー外国人会員 (1812) 。エルツ山地周辺の岩石の研究から岩石を始原岩,漸移岩,成層岩,二次岩,火山岩の順に岩層区分し,その層序を一般化した。また,かつて地球は海におおわれ,すべての岩石は海水から析出,沈殿したとする,いわゆる水成論を唱え,花崗岩変成岩なども堆積岩とした。彼の学説は,のちに火成論者の批判の対象となるが,当時にあっては,絶大な影響を及ぼした。
[生]1866.12.12. ミュルハウゼン
[没]1919.11.15. チューリヒ
スイスの化学者。 1890年チューリヒのスイス連邦工科大学で学位取得後,パリで P.E.M.ベルテロのもとで研究したのち,91年チューリヒに戻り,連邦工科大学教授 (1895) 。 A.ハンチとともに窒素化合物の立体化学を研究,93年に無機化合物の構造について配位説を発表。一生を錯塩の研究に打込み,錯体化学体系をつくり上げた。 1911年炭素以外の原子の化合物でも光学活性が現れることを発見。錯塩の構造解明で 13年ノーベル化学賞を受賞した。
[生]1695頃
[没]1766.3.3. アイゼンシュタット
オーストリアの作曲家。 1728年エステルハージ公爵家の楽長となる。ハイドン前任者管弦楽組曲『音楽のカレンダー』などがある。
[生]1890.2.11. ウィーン
[没]1964.5.14. マサチューセッツ,ウースター
ドイツ,アメリカの心理学者。ハンブルク大学教授。渡米後クラーク大学教授。発達,知覚心理の研究に貢献した。主著精神発達の比較心理学』 Comparative Psychology of Mental Development (1940) 。
[生]1732
[没]1800
プロシア王フリードリヒ・ウィルヘルム2世の宗教大臣。 1788年の宗教令,検閲令により啓蒙思想取締りを強化した。
[生]1913.12.29. フランス,リール近郊
[没]2002.6.24. ルクセンブルク, ルクセンブルク
ルクセンブルクの政治家。「ユーロの父」と呼ばれた。ルクセンブルク首相に在任中(1959~74,1979~84),ヨーロッパ単一通貨創設に主導的にかかわった。通貨に「ユーロール」という呼称をつけ,1960年に公に提唱した。ヨーロッパ経済共同体 EEC委員長在任中の 1970年,EEC 6ヵ国からなる通貨同盟の公式な青写真,ウェルナー報告書を発表した。1999年ヨーロッパ連合 EU加盟 15ヵ国中 11ヵ国に単一通貨制度が導入され,2002年1月には加盟 12ヵ国で新通貨ユーロの流通が始まった。中道右派のキリスト教社会党に属し,ルクセンブルクをヨーロッパ有数の金融センターに育てた。
[生]1968.9.23. ケルン
ドイツ生まれのフランスの数学者。1993年,パリ第6大学(→パリ大学)で博士号を取得。1997年にパリ南大学オルセー校で数学教授となり,2005年エコール・ノルマル・シュペリュールで教鞭をとる。2006年,スペインのマドリードで開催された国際数学者会議で,確率過程ブラウン運動に関する研究によりフィールズ賞を受賞。2000年にはヨーロッパ数学会賞を,2001年にはフェルマ賞を受賞している。よく知られているブラウン運動は,拡散を表現する数学的なモデルであり,多くの状況に応用されている。この現象は,どのようなスケールにおいてもランダムなふるまいがみられる相転移などに現れ,相転移における無限次元の対称性は共形場理論として発展した。ウェルナーはこうした臨界点近くの現象について,初めて数学的に厳密な定式化を行なった。1982年にポーランドの数学者ブノア・マンデルブローが提唱した,平面におけるランダムウォークの境界(→ランダムウォーク問題)はフラクタル次元 4/3(→フラクタル)をもつという予想を解決。また,ブラウン運動の多くの側面は共形不変性であることを証明し,ランダムウォークの自己相似性が導かれることを示した。

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デジタル大辞泉の解説

[1866~1919]スイスの化学者。立体化学を展開して配位説を提唱、錯体化学の体系化に寄与した。1913年、ノーベル化学賞受賞。著「立体化学講義」「無機化学における新思想」など。
[1890~1964]米国の心理学者。オーストリア生まれ。1933年渡米。文明人未開人比較研究を行い、現代発達心理学の基礎を築いた。著「発達心理学入門」など。

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百科事典マイペディアの解説

ドイツの地質学者。近代地質学の開祖の一人,また門下から多数の優秀な地質学者が育った。ザクセン生れ。フライベルク鉱山学校,ライプチヒ大学で鉱山技術などを学び,1775年から没年まで前者の教授。鉱物,岩石の記載分類に努力し,その成因を論ずる学問をゲオグノジーと称し,極端な水成論に立ってハットンらの深成論者と論争したが,後に打破された。
スイスの化学者。ミュルーズの生れ。1893年チューリヒ工業大学教授。主原子価側原子価概念を提出し,1893年配位説をたて複雑な錯塩の立体構造を説明。これにより無機化合物の異性現象,特に光学異性の存在が容易に説明されるようになった。1913年ノーベル化学賞。

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世界大百科事典 第2版の解説

1866‐1919
スイスの化学者。生れはフランスのミュルーズ(1871年からドイツに占領されミュールハウゼンと呼ばれた)。1886年からチューリヒ・ポリテクニクムに学び,93年からチューリヒ大学教授を務めた。配位説を提唱し無機化学構造論を開拓することによって,現代化学の発展に大きな影響を及ぼした。生涯を通じて錯化合物の体系的理解に力を尽くし,170に及ぶ論文を残した。学位論文窒素を含むさまざまな分子における諸原子の空間配置について》(1890)では,炭素原子が立体的分子を作るというJ.H.ファント・ホフの思想を窒素原子に及ぼして立体化学の枠を拡張した。
1749‐1817
ドイツの鉱物学者,地質学者。ドイツ,シュレジエンの鉄工業技師の家に生まれ,フライベルク鉱山学校をへて,ライプチヒ大学で法律を学んだ。在学中に,鉱物の特徴についての本を出版したのが認められ,1774年フライベルク鉱山学校に迎えられ,以後死ぬまで指導的地位にあり,ヨーロッパ各国からの学生を教育した。彼はすべての岩石は始原の大洋での沈殿物であるとする水成説で,地球全体の岩石を分類し形成順序をまとめ,87年《諸岩類の分類と記載Kurze Klassifikation und Beschreibung der verschiedenen Gebirgsarten》を出版,岩石の記載をおこなった。

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大辞林 第三版の解説

Alfred W. 1866~1919 スイスの化学者。無機化合物について、配位説を提案、幾何異性を発見し、錯塩化学の体系を築く。
Heinz W. 1890~1964 アメリカの心理学者。ドイツ生まれ。未開人と文化人、児童と成人の精神構造を比較し、一般的な発達の原理を研究。

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精選版 日本国語大辞典の解説

(Alfred Werner アルフレート━) スイスの化学者。無機化合物の構造について研究。原子価について配位説を唱導、錯塩の立体構造を説明。一九一三年ノーベル化学賞受賞。(一八六六‐一九一九

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化学辞典 第2版の解説

ドイツ生まれのスイスの化学者.スイスのチューリヒ工科大学で化学を学び,1889年卒業後,無給助手を務めながらA.R. Hantzsch(ハンチ)のもとで研究し,1890年学位を取得.1891年冬,パリのP.E.M. Berthelot(ベルトロ)のもとで過ごした後,1892年チューリヒ工科大学の私講師となり,1893年チューリヒ大学の教授となる.当時,有機化学で成功をおさめたF.A. Kekulé(ケクレ)の原子価の理論を無機化合物に適用したとき,元素の原子価を一定としては説明が難しい場合が生じていた.Wernerは金属の原子価を主原子価と副原子価に区別し,前者はイオンとの結合に寄与するのに対して,後者は各種の中性分子との結合にも寄与し,両者の合計は化合物に固有の配位数となると提案した.この理論にもとづいて,錯体の立体構造から予測された異性体の数を伝導度測定から実験的に確認し,さらに立体異性体の合成に成功した.1911年光学異性体の分割に成功し,配位説を実証した.この結果は,光学活性を炭素原子に帰していた当時の考えから論争をよんだが,かれは1914年に炭素をまったく含まない光学活性錯体を合成し,光学活性が立体化学に起因することを示した.これらの成果は現代の無機化学の基礎となり,化学の他分野にも多大な影響を与えた.以上の業績により,1913年スイス人としてははじめてノーベル化学賞を受賞した.

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世界大百科事典内のウェルナーの言及

【化学】より

…彼らの唱えた炭素正四面体説(1874)は,分子内の原子の配列を三次元的にとらえる立体化学の基礎となった。A.ウェルナーは,遷移金属がつくるある種の化合物においては,金属原子は単純な原子価説では説明できない原子価をもつことを説明する〈配位説〉を提案した。配位説は20世紀に開花した錯体化学への道を開いた。…

【光学異性】より

…とくに19世紀末E.フィッシャーが糖の立体異性を炭素正四面体説で説明するのに成功して炭素正四面体説の強い支えとなった。 20世紀に入るとA.ウェルナーの配位理論によって,金属錯体でも分子不斉による光学異性の存在することが主張された。そしてついに1911年シス‐[CoCl(NH3)(en)2]2+で光学異性体が分離されたし,炭素がまったく入っていない光学異性体ということではヘキソール塩[Co{(OH)2Co(NH3)43]X6(Xは1価の酸基)ではじめて光学異性体の存在が示され,彼の理論の正しいことが証明された。…

【錯体】より

…これらと錯分子とをひとまとめにしたものが狭義の錯化合物で,配位化合物ともいう。ふつうの錯体(ウェルナー錯体という)においては配位原子は孤立電子対で中心原子に配位結合で結合している。したがってG.N.ルイスの酸・塩基の定義により,中心原子はルイス酸であり,配位子はルイス塩基である。…

【無機化学】より

…しかしこの間有機化学は化学結合と構造理論の進展から大きく発展をとげていったのに対し,無機化学は単なる組成の化学にとどまっていて,飛躍的な発展がなされるというわけにはいかなかった。1893年ドイツのA.ウェルナーが配位理論(配位説)を提出し,無機化合物の構造論に対する出発点となったが,これはその後の無機化学の飛躍的な発展の基礎となるものであった。20世紀に入ると量子力学が成立し,原子の電子構造が明らかにされ,化学結合の本質が解明されるとともに,X線構造解析をはじめとする各種の構造研究手法の開発によって現在のような無機構造化学が確立されることになった。…

※「ウェルナー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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