カード
〘名〙
[一] (card) ある
一定の大きさに裁断した小さな紙。
① 事項を記入して資料の整理、
集計などに用いる。
白紙のもの、簡単な罫
(けい)だけのもの、いろいろな記入欄の印刷されたものなど、種類が多い。〔舶来語便覧(1912)〕
※一千一秒物語(1923)〈稲垣足穂〉 THE MOONRIDERS 「草の上には 白い 何にもかいてない カードが
一面に落ちてゐた」
②
データ処理で、情報の
媒体として用いたもの。一定の
規則に従って
穿孔(せんこう)を行ない、文字、数字、
記号などを記録した。
③ 文字、記号、絵、図などが(多くは印刷によって)書かれているもの。
※まじょりか皿(1909)〈
寺田寅彦〉「新年のカードの中には売れ残りのクリスマスカードもあった」
※花間鶯(1887‐88)〈
末広鉄腸〉下「四五人団
(だん)を為しカードを闘はして」
カード
〘名〙 (curd)
② 魚などの
缶詰で
表面に付着している豆腐状の凝固物。
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デジタル大辞泉
「カード」の意味・読み・例文・類語
カード(curd)
乳汁が酵素や酸の作用で凝固したもの。牛乳を飲んだあと胃内で、カゼインなどが胃酸によって凝固してできる。また、チーズやヨーグルト製造時にも生じる。
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カード
card; carding engine
紡績機械の一種。繊維塊を針布 (数枚の布を貼合せた基布に針を植えたもの) あるいはメタリックワイヤ (鋸歯状ワイヤ) によってくしけずり,短繊維や不純物を除きながら1本1本の繊維に分離する,いわゆるカーディング作用を行う機械。この機械によって薄いシート状繊維集合体であるウェブがつくられ,さらにこれをまとめて太い繊維集束であるスライバがつくられる。針布やメタリックワイヤを巻付けたカードシリンダと,針布を装着したベルト状のフラットの間でカーディング作用を行うフラットカードは,主として綿紡式の紡績に用いられる。また,カードシリンダの周囲に,針布やメタリックワイヤを巻付けたローラを配置したローラカードは,毛紡績や麻紡績などに用いられる。また紋織物製造に使うジャカード機についている紋紙 (穴をあけた紙) のこともカードという。
カード
card
コンピュータの入出力媒体。一定の大きさと形と厚さをもつ紙質のカード上の定められた位置に穿孔機でパンチすることによってデータを記録し,機械化処理に用いられる。1枚のカード上の記憶量は大別して 80欄カードと 90欄カードになるが,一般には 80欄カードが使用されている。カードの穿孔内容はブラシまたは光電管によって読取られる。特別の場合には,穿孔するかわりに鉛筆で印をつけることもある。これを穿孔する場合のパンチカードと区別して,マークカードという。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
カード【curd】
脱脂乳に酸または凝乳酵素を加えてできるカゼインを主成分とする凝固物をいう。牛乳の主要タンパク質であるカゼインは,等電点がpH4.6であるので酸を加えると沈殿し,凝乳酵素(レンネット,ペプシンなど)によっても変性して沈殿する性質をもつ。全乳から同様にして生ずるカードには脂肪も含まれる。カードを生成する牛乳のこのような性質はヨーグルトやチーズなどの製造に利用されている。牛乳を飲むと胃の中で胃酸とペプシンによりカゼインが凝固してカードができるが,そのカードが柔らかいと消化性がよい。
カード【card】
繊維塊を解きほぐし,くし削って繊維を平行にし,ひも状の長い繊維束のスライバーsliverをつくる紡績機械。綿紡では梳綿(そめん)機とも呼ばれ,混打綿工程の後で使用される。これより後の工程では,細い糸をつくる際に用いるコーマーを除けばきょう雑物を取り除く操作は行われないので,雑物や不良繊維を除去することも重要な役目になっている。昔は繊維塊から直接糸を紡いでいたが,18世紀になると針を植えた板に綿花を載せて,同様な板でくし削るようになり,これが現在のカードへと発展した。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
カード
全乳,脱脂乳などが酸や凝乳酵素(キモシンなど),もしくは熱によって凝固したもの.特にチーズ製造で,凝乳酵素によってカゼインを凝固させホエーと分離したもの.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
カード
薄い板状の形をしたPCカードや拡張カードなどの総称。プリント基板を指す場合もある。
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