シャルル(6世)(読み)しゃるる(英語表記)Charles Ⅵ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャルル(6世)」の意味・わかりやすい解説

シャルル(6世)
しゃるる
Charles Ⅵ
(1368―1422)

バロア朝第4代のフランス王(在位1380~1422)。1380年、父シャルル5世の急死後に即位した。4人の叔父が後見についた。1388年に親政に入ったが、4年後間欠的に狂気発作をおこすようになり、後見政治が復活。とりわけ、叔父のバロア家系初代ブルゴーニュ公フィリップ、王弟オルレアン公ルイLouis d'Orléans(1372―1407)の権力闘争が激しく、バイエルン・インゴルシュタット公家出身の王妃イザボー・ド・バビエールIsabeau de Bavière(1371―1435)の存在も絡んで、政情は混迷し、アルマニャック派ブルゴーニュ派との抗争のうちに、1415年イングランド王ヘンリー5世の北フランス出兵をみる。政局は、ブルゴーニュ公の主導のうちに推移し、1420年トロア条約によりフランス王家はイングランド王家と和し、1422年、シャルル、ついでヘンリーの死後、両王家は合同した。王妃イザボーとの間に3男4女をもうけたが、男子2人は早世し、末息シャルルはアルマニャック派に加担して廃嫡され、ヘンリー5世に嫁した女子カトリーヌCatherine of Valois(1401―1437)が生んだヘンリーが家督を相続する形となった。

[堀越孝一 2023年1月19日]

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旺文社世界史事典 三訂版 「シャルル(6世)」の解説

シャルル(6世)
Charles Ⅵ

1368〜1422
フランスのヴァロワ朝第4代の王(在位1380〜1422)。親愛王(le Bien-Aimé)とも呼ばれる
シャルル5世の子。一時王国の政治を整えたが,1392年発狂。以後,内外ともに多難をきわめ,トロワ条約でイギリス王ヘンリ5世を王位継承者に約した。

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