チョウ(蝶)(昆虫)(読み)チョウ

百科事典マイペディア 「チョウ(蝶)(昆虫)」の意味・わかりやすい解説

チョウ(蝶)(昆虫)【チョウ】

鱗翅(りんし)目のうち類以外の昆虫の総称。ガ類と同様に,体は密に毛と鱗片でおおわれ,翅は膜質で薄く破れやすいが一面に規則正しく配列された鱗粉でおおわれる。鱗粉の色は色素に由来する色素色と,鱗粉の内部構造によって光が屈折・干渉して生じる構造色とがあり,後者には金属光沢を発するものが多い。色素は幼虫時代の体内の老廃物に由来し,メラニンプテリンなど尿素系のものが主で,死後紫外線によって退色しやすい。口器は長い管状で花蜜などを吸うのに適し,ぜんまい状に巻いて頭部下面に収められる。肢は細長く他物に止まるには適するが歩行には不適。完全変態。幼虫は青虫または毛虫で植物の葉を食べるが,アブラムシ,キジラミその他,蜜液を分泌する小昆虫を捕食する種類や,アリ類の巣中に共生する種類も知られる。蛹(さなぎ)は繭を作らず,尾部だけでぶらさがる垂蛹(すいよう)と胸にも糸をかける帯蛹とがある。成虫は昼間活動し,主として花蜜を吸うが,樹液その他に集まる種類も少なくない。極地を除く全世界に約1万8000種,日本には約250種ほどを産する。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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