(読み)カン

デジタル大辞泉 「乾」の意味・読み・例文・類語

かん【乾】[漢字項目]

常用漢字] [音]カン(呉)(漢) ケン(漢) [訓]かわく かわかす ほす いぬい
カン
かわく。かわかす。「乾期乾湿乾燥乾物乾電池
空にする。「乾杯
〈ケン〉
天。「乾坤けんこん
天子君主・男を表す。「乾徳
いぬい。北西。「乾坤けんこん
[名のり]きみ・すすむ・たけし・つとむ・ふ
難読乾鮭からざけ乾児こぶん乾葉ひば

けん【乾】

易の八卦はっけの一。で表す。陽の卦で、天や男にかたどり、方位では、いぬとの間、北西に配する。⇔こん

ひ【乾/干】

かわくこと。かわき。他の名詞の上に付いて複合語をつくることが多い。「―が足りない」「―がた」「―もの

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精選版 日本国語大辞典 「乾」の意味・読み・例文・類語

けん【乾】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 易の八卦の一つ。算木にかたどる。また、六十四卦の一つ。純粋の陽を表わし、天、剛健帝王、男性、龍などを象徴する。方角では戌亥(いぬい)、すなわち北西にあたる。
    1. [初出の実例]「出震登乾、乗時首出。之謂聖」(出典続日本紀‐天平宝字二年(758)八月庚子)
    2. [その他の文献]〔易経‐乾卦〕
  3. そら。天。あめ。→乾坤(けんこん)

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普及版 字通 「乾」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] カン・ケン
[字訓] はためく・かわく

[説文解字]

[字形] 会意
(かん)+乙。〔説文〕十四下に「上に出づるなり。乙に從ふ。乙は物の(とほ)るものなり」とするが、文意が明らかでない。字条七上に「日始めて出で、光たるなり」とあり、光の達る意かと思われるが、その義の用例はない。は旗竿の象、乙は偃游(えんゆう)(吹き流しの類)のなびく形。旗游のはためくさまから、勇健の気象を示すものと考えられる。易に乾・坤の二卦を立て、字義に深遠なものを加えた。〔玉〕に「なり、天なり、君なり」とするのは、乾坤の乾の義、「燥(かは)く」の訓を加えるのは、旱・と近い語義である。

[訓義]
1. 旗がひらめく、はためく。
2. 勇ましいさま、力あるさま。
3. かわく、かれる。
4. 易の乾卦。陽、男、君、夫、父、いぬい。

[古辞書の訓]
立〕乾 カハク・ホス・カレタリ

[語系]
乾・干kan、旱han、xan、晞xiiは声義に通ずるところがあり、通用する。

[熟語]
乾萎・乾・乾乾嘔・乾・乾魚乾竭乾涸・乾喉・乾乾耗・乾菜乾屎乾愁・乾粥・乾笑・乾情・乾食・乾舌乾癬乾嗽・乾燥・乾・乾・乾都・乾肉・乾梅・乾杯・乾暴・乾飯乾糒・乾・乾物・乾脯・乾没・乾浴・乾酪・乾糧・乾位・乾宇・乾円・乾儀・乾乾・乾元・乾剛・乾坤・乾浄・乾・乾統・乾道・乾徳・乾覆・乾霊
[下接語]
握乾・萎乾・応乾・旱乾・涵乾・乾・御乾・枯乾・肴乾・皇乾・坤乾・象乾・乗乾・脣乾・声乾・析乾・旋乾・乾・体乾・乾・泥乾・風乾・霊乾

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占い用語集 「乾」の解説

八卦の一つ。陽爻を三つ重ねてあらわす。自然界では「天」、卦徳は「健」、人では「家長・父」、属性は「金」、身体では「頭」、易数は「1」、方角では「北西」をあらわす。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【易】より

…左の掌中にある筮竹を右手で8本ずつ除去していき,小指の分も入れて残りが8本以内になったらやめる。残りが1本なら☰乾(けん)(天),2本なら☱兌(だ)(沢),3本なら☲離(火),4本なら☳震(雷),5本なら☴巽(そん)(風),6本なら☵坎(かん)(水),7本なら☶艮(ごん)(山),8本なら☷坤(こん)(地)。これで内卦(六爻(こう)の下半分)が得られた。…

※「乾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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