(読み)ジュ

デジタル大辞泉 「儒」の意味・読み・例文・類語

じゅ【儒】[漢字項目]

常用漢字] [音]ジュ(漢)
孔子の教え。また、その教えを奉ずる学者。「儒学儒教儒者坑儒碩儒せきじゅ宋儒そうじゅ俗儒大儒腐儒
背が低い。「侏儒しゅじゅ
[名のり]はか・ひと・みち・やす・よし
難読儒艮じゅごん

じゅ【儒】

孔子を祖とする思想。儒学。儒教。「を学ぶ」
儒者。儒学者。

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精選版 日本国語大辞典 「儒」の意味・読み・例文・類語

じゅ【儒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 孔子を祖とし、四書および五経を経典とする中国古来の道徳政治の原理。儒学。儒教。
    1. [初出の実例]「漢の儒は、子曰可与共学と云より何遠之有と云まで一章と見たり」(出典:応永本論語抄(1420前)子罕第九)
  3. 儒学に明らかな者。儒教に通じている人。転じて、学問に長じている人。儒者。学者。
    1. [初出の実例]「為吏為儒報国家、百身独立一恩涯」(出典菅家文草(900頃)三・相国東閤餞席)
    2. 「天地人三才に通達するを儒(ジュ)といふ」(出典:滑稽本・風来六部集(1780)放屁論後編)
    3. [その他の文献]〔周礼‐天官・冢宰〕

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普及版 字通 「儒」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 16画

[字音] ジュ
[字訓] やわらか・おろか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は需(じゅ)。需は雨乞いする下級巫祝、而(じ)はまげを結ばない頭(こんとう)の巫祝の形。その人を(ぜん)といい、また(ぜん)・儒という。〔説文〕八上に「柔なり。士のなり」とあり、儒は巫祝の出身であった。〔礼記、儒行〕の〔目録〕に「儒の言たる、優なり、柔なり。能く人を安んじ、能く人をす。、儒なるは濡なり。先王のを以て、能く其の身を濡(うるほ)す」とするが、みなその音によって説くものにすぎない。儒はもと巫祝・葬礼のことなどにも従い、儒家の文献には葬礼に関するものがきわめて多い。

[訓義]
1. じゅがく、じゅしゃ。
2. やわらか、おだやか、やさしい。
3. よわい、したがう、おろか。
4. 字はまたに作る。

[古辞書の訓]
名義抄侏儒 ヒキウト・タケヒキ・ヒキナリ・サカシ・ハカセ・ヒキウト 〔立〕儒 ヒキウト・ヲヨスク・ハカセ・ヤハラカナリ・サカシ・ウルフ・ヒキナリ

[語系]
儒・濡・嬬・孺njioは同声。みな需の声義を承け、その引伸の義をもつ字である。

[熟語]
儒衣・儒医・儒家・儒化・儒雅・儒学・儒官儒冠儒緩・儒教・儒業・儒経儒賢・儒玄・儒酸・儒士・儒者儒釈・儒弱儒輸儒儒・儒術・儒書・儒職・儒人・儒生儒碩・儒素・儒宗儒懦儒傅・儒風・儒服・儒扮儒墨・儒門儒吏・儒流・儒林
[下接語]
儒・雅儒・耆儒・坑儒・洪儒鴻儒・散儒・師儒・侏儒・宿儒・醇儒・真儒・碩儒・浅儒・賤儒・俗儒・村儒・大儒・通儒・鄙儒・文儒・名儒・庸儒・老儒・陋儒

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【儒家】より

諸子百家の首位に立つ中国古代の思想集団。孔子を開祖として戦国期の孟子,荀子など原始儒家によって大きく思想形成を遂げた。先秦諸子のうちこの儒家と墨家が,活動的学派として最も組織的かつ活発であった。…

※「儒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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