倉卒(読み)ソウソツ

デジタル大辞泉 「倉卒」の意味・読み・例文・類語

そう‐そつ〔サウ‐|ソウ‐〕【倉卒/草卒/×怱卒】

[名・形動]
突然であること。また、そのさま。だしぬけ。
「かく―に会戦して」〈逍遥訳・自由太刀余波鋭鋒〉
あわただしいこと。忙しくて落ち着かないこと。また、そのさま。「―のかん」「―に辞去する」
かるはずみであること。いいかげんであること。また、そのさま。
「―な結論をしてはいけないと思って」〈寅彦蒸発皿
[類語](2目まぐるしい忙しいせわしいせわしない気ぜわしい慌ただしいきりきり舞い東奔西走てんてこ舞い多忙繁忙繁多繁劇多事多端多用繁用席の暖まるいとまもない猫の手も借りたいそそくさせかせか性急拙速多端忙殺怱忙そうぼう倥偬こうそう怱怱そうそう大忙し取り紛れる手が塞がる目が回る応接にいとまがないあくせくこせこせばたばたせっかちあたふた気早気早い大わらわ貧乏暇無し甲斐甲斐かいがいしいそわそわ右往左往慌てふためく動き回るちょこまかうそうそ押せ押せてんやわんややいのやいの

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精選版 日本国語大辞典 「倉卒」の意味・読み・例文・類語

そう‐そつサウ‥【倉卒・草卒・怱ソウ卒・匆ソウ卒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 急なこと。突然なこと。また、そのさま。にわか。だしぬけ。
    1. [初出の実例]「読師法服〈略〉若倉卒不縫作者即以絁綿等相換供之」(出典:延喜式(927)二一)
    2. 「人々一首づつ詠候了〈略〉早卒之所作比興々々」(出典:言継卿記‐天文元年(1532)六月五日)
    3. [その他の文献]〔李陵‐答蘇武書〕
  3. あわてること。落ち着かないこと。忙しいこと。急いでいること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「よりつなの朝臣、つのくにに羽束山、為贈詠送、早卒故也」(出典:江帥集(1111頃))
    2. 「心早卒にして堂下に下るを」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)全昌寺)
    3. [その他の文献]〔欧陽脩‐上范司諫書〕
  4. かるはずみなこと。いいかげんなこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「倉卒に読過することなかれ」(出典:蘭学階梯(1788)下)

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普及版 字通 「倉卒」の読み・字形・画数・意味

【倉卒】そう(さう)そつ

にわかに。急遽。漢・李陵武に答ふる書〕嗟乎(ああ)、子武)よ。人の相ひ知るは、相(たが)ひに心を知るを貴ぶ。書倉卒として、未だ懷ふを盡さず。故に復(ま)た略(ほぼ)之れを言はん。

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