和歌・倭歌(読み)わか

大辞林 第三版の解説

わか【和歌・倭歌】

漢詩に対して、奈良時代までに発生した日本固有の詩歌の称。長歌・短歌・旋頭せどう歌・片歌などの総称。後世、他の形式がすたれ、もっぱら短歌をさすようになった。やまとうた。
〔万葉集の題詞から〕 和こたえる歌。唱和した歌。かえしうた。
(普通「ワカ」と書く)能で、多く舞の直後に来る謡物。短歌の形式をなす。

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精選版 日本国語大辞典の解説

わ‐か【和歌・倭歌】

〘名〙
漢詩に対して、日本の歌。長歌短歌・旋頭歌・片歌など五・七音を基調とした定型詩であるが、歌体の消長に伴って短歌が和歌を意味するようになった。漢詩に対する和歌の意識は「万葉集」の大伴家持などにすでに見られるが、歌論として明確に自覚されたのは「古今和歌集」の序文においてであろう。歌謡・連歌・俳諧・近代詩などは和歌の範囲から除外されている。やまとうた。うた。国歌。
※源氏(1001‐14頃)玉鬘「この和歌はつかうまつりたりとなむ思ひ給る」
② 和して歌う歌。答の歌。また、詩。
※南郭先生文集‐初編(1727)三・九月六日猗蘭台集「和歌慙郢曲、濫吹愧斉竽」 〔孫逖‐和左司張員外〈中略〉贈韋侍御等諸公詩〕
③ 能楽で用いる語。
(イ) 舞の際謡い物一般をいう。短歌形式を原則とし、高音で謡われるもので、祝言的な要素を持つ。→補注
※謡曲・舟弁慶(1516頃)「旅の舟路の門出のわか、ただひとさしと勧むれば」
(ロ) 謡曲の小段の一つ。舞の前後にかけて謡われ、性格は(イ)と類似する。
※風姿花伝(1400‐02頃)六「作者も、発端の句、一せい、わかなどに、人体の物まねによりて、いかにも幽玄なる余情、たよりをもとむる所に」
④ 歌舞伎下座音楽の一つ。時代狂言の幕切れに立役と敵役とが詰合(つめあい)になり「かたがたさらば」という時に用いる鳴物。「片しゃぎり」と同じ手法を用いるので、「片しゃぎり」の古名といえる。
※歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)六立「ト和歌(ワカ)になり、皆々立廻りあって」
[補注]③(イ)については、延年の舞の「若音(わかね)」から転じたという説もある。

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