デジタル大辞泉
「大文字」の意味・読み・例文・類語
だい‐もんじ【大文字】
1 大きな文字。
2 「大」という漢字。大の字。
3 「大文字の火」の略。《季 秋》
「大文字山」の略。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
だい‐もんじ【大文字】
[1] 〘名〙
① 大きな文字。また特に、寺号や額などの大きな
字体。
※玉葉‐嘉応三年(1171)九月七日「今日、一昨日院所
レ召之手本、以
二基輔
一進
レ院、付
二定能
一可
レ進之由所
レ仰也〈手本四巻、
大文字一巻、合五巻也〉」
※
古今著聞集(1254)七「『
紫蓋之峰嵐踈』と云句を大文字にて四枚に書きみてさせ給て」
② 大という漢字。
※貞享版沙石集(1283)七「大文字をしらで、またふりのやうなる文字は、何ぞと問へる僧ありけり」
③ 雄大な文章。すぐれた文章。
※
俳諧・増山の井(1663)七月「送火 十六日〈略〉ししが谷は大文字松か崎は
妙法などあり」
[2]
※
洒落本・当世爰かしこ(1776)「い
にしへ大文
(モン)字のかぼちゃにいささか花の咲懸りたる頃より」
おお‐もじ おほ‥【大文字】
〘名〙
① 普通よりも大きな文字。おおもんじ。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
※洒落本・浪花花街今今八卦(1784)「今は廿五日に大文字
(ヲフモジ)あげにゆく
児童(こども)までが」
③ 欧文の字体の一つ。アルファベットのA・Bの類。文の始め、または固有名詞の最初の文字などに用いる。かしらもじ。⇔
小文字
だい‐もじ【大文字】
〘名〙
※俳諧・古今俳諧明題集(1763)雑「大文字
(ダイモジ)の火も
あかつきは草のあと〈凉帒〉」
②
江戸時代、江戸駿河町の
越後屋で、にわか雨のとき客に貸した傘。「越後屋」の
三字が大きく書いてあったところからいう。
※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一〇(1760)梅三「大文字は古骨かいも見知りごし」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の大文字の言及
【書】より
… ギリシアの書法には,石に刻む直線的で角ばった碑文用の様式と筆記用の様式(書籍用書体および書簡用草書体)とがあった。書籍用書体の大文字majusculeは石彫碑文書体を適用したのに対し,書簡用草書体ではパピルスや羊皮紙に適した大文字から発展した丸味を帯びたアンシャル体uncialが用いられた。ギリシア書法に基礎をおくラテン書法でも,石彫碑文のモニュメンタルな大文字が中世を通じて書籍用にも用いられ,後世の大文字活字の原型をなす。…
※「大文字」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」