(読み)サツ

デジタル大辞泉 「察」の意味・読み・例文・類語

さつ【察】[漢字項目]

[音]サツ(漢)
学習漢字]4年
調べて明らかにする。「監察観察検察考察査察視察省察診察偵察
おしはかる。思いやる。「察知賢察推察拝察
[名のり]あき・あきら・み・みる
難読按察使あぜち

さつ【察】

俗に、警察のこと。「にばらす」
[類語]警察ポリス

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「察」の意味・読み・例文・類語

さつ【察】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 推量すること。推測すること。また、すぐれた洞察力をそなえているさま。
    1. [初出の実例]「難去為客人間、其用作嗜奔走捩、聊過御察乎」(出典:新撰類聚往来(1492‐1521頃)上)
    2. 「ミヅ イタッテ キヨキ トキンバ ウヲ ナク、ヒト イタッテ satnaru(サツナル)トキンバ トモ ナシ」(出典:天草版金句集(1593))
  3. ( 「けいさつ(警察)」の「けい」と「さつ」を逆にした「さつけい」の略 ) 警察をいう、てきや・盗人仲間の隠語。〔隠語輯覧(1915)〕
    1. [初出の実例]「第二にサツ(警察)やムシ(監獄)の飯を余計に食って来た者、と云ふことになる」(出典:不良青少年少女の実相(1930)〈和田信義〉)

さっ‐し【察】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「さっする(察)」の連用形名詞化 ) 察すること。思いやること。推察。
    1. [初出の実例]「両個(ふたり)の者の察しに違はず、麦湯の女を送らんとて〈略〉此処まで来かかりしが」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「察」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

[字音] サツ
[字訓] あきらか・みる・かんがえる

[説文解字]

[字形] 会意
宀(べん)+祭。宀は中に祭って神意をうかがうを察という。〔説文〕七下に「審(ふくしん)するなり」(段注本)とあり、〔新書、道術〕に「讖(しんび)皆審(つまび)らかにする、之れを察と謂ふ」とみえる。神意を明察にすること。

[訓義]
1. あきらかにする、あきらか、みる、神意をみる、神意があらわれる。
2. かんがえる、つまびらかにする。
3. わきまえる、えらぶ。
4. 推察する。

[古辞書の訓]
名義抄〕察 ミル・イタル・シル・アラハス・アラハル・オホフ・サトル・ツバビラカニ・アキラム・アツ・シルス・アキラカニス

[声系]
摩擦の擦は後起の字。摩することの急な意。祭の声義と関係がなく、擬声的な語であろう。

[語系]
察・tsheatは同声。(さつ)は〔説文〕三上に「言親察するなり」(段注本)とするが、察の異文であろう。〔顔氏家訓書証〕に、省察の意としている。

[熟語]
察按察閲・察解・察覚・察核察覈・察看・察勘・察機・察議察究察挙・察慧察警・察見・察験・察言・察考・察校・察刻・察察・察士・察子察伺・察視察悉・察収・察書察恕・察照・察色・察隻・察選・察度察奪・察探・察断・察致・察知・察聴・察納・察判・察微・察敏・察弁・察訪・察脈・察問・察覧・察理察吏・察察諒・察論
[下接語]
按察・苛察・監察・観察・察・究察・糾察・恐察・警察・検察・賢察・考察・高察・査察・伺察・視察・識察・熟察・巡察・詢察・小察・照察・詳察・彰察・深察・診察・慎察・審察・垂察・推察・省察・清察・精察・大察・台察・探察・通察・偵察・洞察・督察・拝察・閔察・俯察・補察・訪察・密察・妙察・名察・明察・予察・覧察・留察・了察・諒察・臨察・廉察

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「察」の解説

さつ

?-? 江戸時代中期の女性。
臨済(りんざい)宗の僧白隠慧鶴(えかく)(1686-1769)の叔父庄司氏の娘。白隠から印可をうける。のち結婚し,老いて孫の死にあい,大声でないた。人々は悟りをひらいた方なのにといっておどろく。察は「肉親の涙こそ香華にまさる」といって真の仏道をしめした。駿河(するが)(静岡県)出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android