掻き曇る(読み)カキクモル

デジタル大辞泉 「掻き曇る」の意味・読み・例文・類語

かき‐くも・る【×掻き曇る】

[動ラ五(四)]
雲や霧で空が急に暗くなる。「一天にわかに―・る」
涙で目の前がぼんやりとなる。
「―・り、もの見えぬ心地し給へば」〈椎本
[類語]陰る曇る霞むぼやける暈ける掠れるぼんやり朦朧ぼうっとどろん不透明見えにくいほのかかすかほんのりうっすらおぼろげうすうす淡いよう杳杳ようようようとして暗い薄暗いほの暗い小暗い木暗い小暗がり真っ暗暗然冥冥ぼやっと不鮮明もやもやほの見えるしょぼつくしょぼしょぼ茫茫ぼうぼう不可視

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精選版 日本国語大辞典 「掻き曇る」の意味・読み・例文・類語

かき‐くも・る【掻曇】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ( 「かき」は接頭語 )
  2. 雲や霧などにおおわれて空が急に暗くなる。
    1. [初出の実例]「月夜には来ぬ人待たるかきくもり雨も降らなんわびつつも寝ん〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋五・七七五)
  3. 涙で目の前がぼんやりとしている。
    1. [初出の実例]「心憂くも過ぎにける日数かな、と思すに、又、かきくもり、もの見えぬ心ちし給へば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)椎本)
  4. 鏡やガラスなどの表面がくもる。
    1. [初出の実例]「ちゑのかがみも、かきくもり」(出典:説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)八)
  5. 心が暗くなる。
    1. [初出の実例]「此程は心のやみにかきくもり」(出典:幸若・しつか(室町末‐近世初))

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