仄か(読み)ホノカ

デジタル大辞泉 「仄か」の意味・読み・例文・類語

ほの‐か【×仄か/側か】

[形動][文][ナリ]
わずかにそれと認められるさま。かすか。「―に見える人影」「―な残月の光」「花の香りが―にただよう」
心や意識がぼんやりしているさま。かすか。「―に記憶している」「―な恋心
量や程度がわずかなさま。「―な期待を寄せる」
「―にも軒端の荻を結ばずは露のかごとを何にかけまし」〈夕顔
[類語](1かすかほんのりうっすらおぼろげうすうす淡いよう杳杳ようようようとして暗い薄暗いほの暗い小暗い暗い小暗がり手暗がり真っ暗暗然冥冥漠然ぼんやりぼうっとぼうとぼやっと不鮮明もやもや霞む見えにくい陰る曇るおぼろかき曇るぼやけるぼけるかすれる朦朧もうろうどろん不透明ほの見えるしょぼつくしょぼしょぼ茫茫ぼうぼう不可視/(2なんとなくなんだかそこはかとないほんのりなんとはなしどことなくそれとなしに心なしなにかしら思いなしかぼけっと朦朧もうろうぼやける雲をつかむ不確かもやもや曖昧曖昧模糊模糊ファジー茫乎ぼうこぼうっと茫茫漠漠ほんのり不明瞭茫漠もやくやもやつくぼんやり彷彿ほうふつ不鮮明憂鬱憂さ鬱気気鬱鬱鬱陰鬱鬱然鬱陶しい物憂い暗鬱沈鬱くよくよくしゃくしゃ重苦しいくさくさ滅入る塞ぐ塞ぎ込む気塞ぎ悶悶もんもんやるせないくすぶるわだかまる意気消沈暗澹あんたん胸騒ぎ怪訝けげんいぶかしいいぶかる辛気歯がゆいいらいら/(3ささやかわずか幾ばくせいぜいたかだかたかが微塵みじん些細ささいまばらいささかほんのあるかなきかちょっと一縷いちる一抹少し心ばかり印ばかり形ばかり少ない少少いくらかいくぶんややちとちっとちょっぴりなけなし若干心持ち気持ち多少二三少数少量僅僅きんきん数えるほどたったただ少なめ軽少軽微微弱微微微少僅少きんしょう些少さしょう最少微量ちびちびひとつまみひと握りすずめの涙ちょこっとちょこんとちょっこりちょびちょびちょびっとちょぼちょぼちょろりちょんびりちょんぼり爪のあか寸毫すんごうプチ

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精選版 日本国語大辞典 「仄か」の意味・読み・例文・類語

ほの‐か【仄か・側か】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「か」は接尾語 )
  2. わずかにそれとわかるさま。分明でないさま。
    1. (イ) 物の形、音などが、わずかに見えたり、聞こえたりするさま。
      1. [初出の実例]「梶の音そ髣髴(ほのかに)すなるあまをとめ沖つ藻刈りに舟出すらしも」(出典万葉集(8C後)七・一一五二)
    2. (ロ) 光、色などが、はっきりしない程度で、わずかに見えるさま。ほんのり。うっすら。
      1. [初出の実例]「ようさりつかた、月のほのかなるに、立寄り給へり」(出典:多武峰少将物語(10C中))
    3. (ハ) 心、意識がぼんやりしているさま。かすかに認識するさま。
      1. [初出の実例]「酔悶し怳惚(ホノカニ)して所別无き故に」(出典:大智度論平安初期点(850頃か)一六)
  3. 程度が、はっきりしないくらいにわずかなさま。いささか。ちょっと。しばし。
    1. [初出の実例]「ほのかにも軒端の荻を結ばずは露のかごとを何にかけまし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)

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