板倉(町)(読み)いたくら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「板倉(町)」の意味・わかりやすい解説

板倉(町)
いたくら

群馬県南東端、邑楽郡(おうらぐん)にある町。栃木、埼玉の両県に接する。1955年(昭和30)伊奈良(いなら)、大箇野(おおがの)、海老瀬(えびせ)、西谷田(にしやた)の4村が合併して町制施行。渡良瀬(わたらせ)川と利根(とね)川に挟まれ、標高20メートル内外の低湿地で、洪水常襲地域である。集落は自然堤防上にあって、水害を防ぐために、母屋(おもや)の傍らに盛土(もりつち)をした水塚(みつか)をつくり、その上に小屋を建てて食料品や衣料品などを常備し、揚舟(あげぶね)という小舟物置軒下などにつるしておく家が多く、1910年(明治43)や、1947年(昭和22)のカスリーン台風の洪水のときには役に立った。湖沼群中最大の板倉沼も1978年から埋め立てられて、その跡に38ヘクタールの工業団地ができた。群馬の米蔵(こめぐら)といわれる水田とともに、野菜とくにキュウリの栽培が盛ん。東武鉄道日光線、国道354号が通じ、近くに東北自動車道館林(たてばやし)インターチェンジがある。海老瀬丘陵には海老瀬貝塚と寺西貝塚がある。雷電(らいでん)神社の末社八幡宮稲荷(はちまんぐういなり)神社社殿は国指定重要文化財。東端部はラムサール条約登録湿地の渡良瀬遊水地(渡良瀬遊水池とも)と接している。面積41.86平方キロメートル、人口1万4083(2020)。

[村木定雄]

『『板倉町史』全10巻(1978~1989・板倉町)』


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