1 いつでも変わることなく同じであること。永久不変であること。「有為転変の、―のない世」
2 いつもそうであること。ふだん。平素。「―と変わらぬ笑顔」「朝の散歩を―とする」
3 特別でないこと。普通。平凡。「―の人」
4 昔からそのようになるとされていること。当然の道理。ならい。ならわし。「栄枯盛衰は世の―」
5 他の例と同じように、その傾向のあること。とかくそうありがちなこと。「子に甘いは親の―」→常に
[語素]名詞・形容詞などに付いて、いつも変わらない、永久不変の、などの意を表す。「常夏」「常世」「常めずらし」
[補説]古くは格助詞「つ」を介して名詞に付くこともあった。「常つ国」「常つ御門(みかど)」など。
[名・形動ナリ]《古くは「とことば」》永久に変わらないこと。また、そのさま。とこしえ。
「わが御門(みかど)千代―に栄えむと」〈万・一八三〉
[名・形動]《古くは「とば」とも》いつまでも変わらないこと。また、そのさま。とこしえ。永遠。えいきゅう。「―の別れ」
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[1] 〘名〙 尺度の名。一丈三尺(約三・九四メートル)をいう。中国では尋(ひろ)の倍の一丈六尺(約四・八五メートル)をいう。
※続日本紀‐和銅七年(714)二月庚寅「制。以二商布二丈六尺一為レ段。不レ得レ用レ常」 〔史記‐李斯伝〕
[2] 〘副〙 いつも。いつでも。
※洒落本・月花余情(1746)燕喜篇「てきは常かんしゃくじゃ」
〘語素〙 名詞およびこれに準ずる語句の上に、助詞「つ」を介して、あるいは直接に付く。また、形容詞の上に付いたり、副詞をつくったりする。常である、永久不変の、などの意味を表わし、その永遠性をほめたたえる気持をこめることもある。「とこつ御門(みかど)」「とこ夏」「とこ葉」「とこ初花」「とこ滑(な)め」「とこめずらし」「とこしくに」「とこしえ」「とことわ」など。
※古事記(712)上「天之常立神〈常を訓みて登許(トコ)と云ひ、立を訓みて多知(たち)と云ふ〉」
〘形シク〙 (「とこ(常)」の形容詞化) 常に変わらない。→
とこしくに
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世界大百科事典内の常の言及
【旗】より
…歴史的には源氏の白旗,平家の赤旗が知られている。千葉常胤(ちばつねたね)が奥州追討にあたり源頼朝に献上した旗は,1丈2尺2幅で,その上部に伊勢大神宮,八幡大菩薩,下部に鳩2羽が白糸で縫いとられていたという(《吾妻鏡》)。幟旗指物【西垣 晴次】
[中国]
〈はた〉を通称して,旗(き)あるいは旌旗(せいき)などというが,もともと〈旗〉〈旌〉ともに〈はた〉の一つの種類を表す語である。…
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