(読み)エイ

デジタル大辞泉 「永」の意味・読み・例文・類語

えい【永】[漢字項目]

[音]エイ(漢) ヨウ(ヤウ)(呉) [訓]ながい
学習漢字]5年
〈エイ〉時間が長く続く。久しい。「永遠永久永劫えいごう永続永年
〈なが〉「永年日永
[名のり]つね・とお・なが・ながし・のぶ・のり・はるか・ひさ・ひさし・ひら
[難読]永久とこしえ永久とこしなえ永久とわ永劫ようごう

えい【永】

永楽銭」の略。
江戸時代、永楽銭の通用禁止の後、伊勢以東の幕府領において、便宜的に年貢物価などの計算基準として用いられた銭貨の名目的な名称

よう【永/影】[漢字項目]

〈永〉⇒えい
〈影〉⇒えい

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精選版 日本国語大辞典 「永」の意味・読み・例文・類語

えい【永】

  1. 〘 名詞 〙
  2. えいらくつうほう(永楽通宝)」の略。
    1. [初出の実例]「田嶋助十郎と申者は甲州一本鑓小山田彌三郎と申者の首とり、其時の御褒美に次郎兵衛に被成、永拾貫文之処被下候事」(出典:深谷記(16C末))
  3. 江戸時代、伊勢以東の幕領で、幕府の収支勘定や、関東の畑年貢、さらに物価表示などに用いられた銭貨の名目的な呼称。→永銭勘定
    1. [初出の実例]「明の永楽銭は遍く海内に流行せしゆへ、ふるく人に田地与ふるにも、永楽銭何貫の地などいひ、果には永とさへいへば、即ち銭の事になり来りしは」(出典:徳川実紀‐大猷院殿附録(1651)三)

ながらえながらへ【永】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ながらえる(永)」の連用形名詞化 ) 生きながらえること。
    1. [初出の実例]「一日片時のながらへも、うらめしかりつるに」(出典:曾我物語(南北朝頃)五)

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普及版 字通 「永」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音] エイ
[字訓] ながれ・ながい

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
水の流れる形。〔説文〕十一下に「水の長きなり。水の理の長永なるに象るなり」という。理とは水脈(はい)は分流、永は合流のところ。水勢の急疾なるところである。

[訓義]
1. ながれ。
2. 水脈の長いところ、ながい。
3. 泳に通じ、およぐ。
4. 詠に通じ、うたう。

[古辞書の訓]
名義抄〕永 ナガシ・ナガウス・ツネニ・ヒタフル・フツニ 〔字鏡集〕永 ナガシ・ヒク・トホシ・ツブサニ・ヒタフル

[声系]
〔説文〕に永声として詠(咏)・泳を収める。詠は永長の義を承ける。(よう)および声も、この声系の字である。

[語系]
永・詠(咏)hyuangは同声。・漾・洋jiangも声義が近い。(往)・hiuangも声義の関係があろう。

[熟語]
永遠・永歌永懐・永観・永久・永業永訣・永言・永古・永・永号永劫永思・永字永辞永寿・永終永嘯永世・永生永逝永夕・永絶永祚永存・永宅・永・永昼・永長・永年永念・永命・永夜永誉・永路
[下接語]
安永・悠永・隆永

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「永」の意味・わかりやすい解説


えい

永楽銭(えいらくせん)の略称。江戸初期、関東では永楽銭が標準通貨としての地位を占め、江戸幕府は初め銭勘定に永楽銭を用いていた。しかし、1608年(慶長13)、金銭の比価を定めるにあたって、金1両は永楽銭1貫文、銭4貫文と公定し、永楽銭の通用を禁じた。以後、永楽銭は流通しなくなったが、幕府はこれまでの取引の旧慣を尊重し、また、金貨幣が両、分、朱の四進法で不便であることもあって、永楽銭の呼称である永をそのまま金貨の補助計算単位とした。たとえば、金1両とその5分の1であれば、1両永200文とした。

[吉永 昭]

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旺文社日本史事典 三訂版 「永」の解説


えい

永楽銭

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