(読み)エイ

デジタル大辞泉の解説

えい【永】

永楽銭」の略。
江戸時代、永楽銭の通用禁止の後、伊勢以東の幕府領において、便宜的に年貢・物価などの計算基準として用いられた銭貨の名目的な名称。

えい【永】[漢字項目]

[音]エイ(漢) ヨウ(ヤウ)(呉) [訓]ながい
学習漢字]5年
〈エイ〉時間が長く続く。久しい。「永遠永久永劫(えいごう)永続永年
〈なが〉「永年日永
[名のり]つね・とお・なが・ながし・のぶ・のり・はるか・ひさ・ひさし・ひら
[難読]永久(とこしえ)永久(とこしなえ)永久(とわ)永劫(ようごう)

よう【永/影】[漢字項目]

〈永〉⇒えい
〈影〉⇒えい

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大辞林 第三版の解説

えい【永】

「永楽銭」の略。
1608年、幕府が永楽銭の通用を禁じた時、主に関東の畑作貢租や物価表示に用いた銭貨の名目的呼称。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


えい

永楽銭(えいらくせん)の略称。江戸初期、関東では永楽銭が標準通貨としての地位を占め、江戸幕府は初め銭勘定に永楽銭を用いていた。しかし、1608年(慶長13)、金銭の比価を定めるにあたって、金1両は永楽銭1貫文、銭4貫文と公定し、永楽銭の通用を禁じた。以後、永楽銭は流通しなくなったが、幕府はこれまでの取引の旧慣を尊重し、また、金貨幣が両、分、朱の四進法で不便であることもあって、永楽銭の呼称である永をそのまま金貨の補助計算単位とした。たとえば、金1両とその5分の1であれば、1両永200文とした。[吉永 昭]

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精選版 日本国語大辞典の解説

えい【永】

〘名〙
※深谷記(16C末)「田嶋助十郎と申者は甲州一本鑓小山田彌三郎と申者の首とり、其時の御褒美に次郎兵衛に被成、永拾貫文之処被下候事」
② 江戸時代、伊勢以東の幕領で、幕府の収支勘定や、関東の畑年貢、さらに物価表示などに用いられた銭貨の名目的な呼称。→永銭勘定
※徳川実紀‐大猷院殿附録(1651)三「明の永楽銭は遍く海内に流行せしゆへ、ふるく人に田地与ふるにも、永楽銭何貫の地などいひ、果には永とさへいへば、即ち銭の事になり来りしは」

ながら・う ながらふ【永】

〘自ハ下二〙 ⇒ながらえる(永)(二)

ながらえ ながらへ【永】

〘名〙 (動詞「ながらえる(永)」の連用形の名詞化) 生きながらえること。
曾我物語(南北朝頃)五「一日片時のながらへも、うらめしかりつるに」

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