耽る(読み)フケル

デジタル大辞泉 「耽る」の意味・読み・例文・類語

ふけ・る【×耽る】

[動ラ五(四)]《「更ける」と同語源》
一つ物事に熱中する。夢中になる。「瞑想に―・る」「雑談に―・っていて客が来たのに気付かない」
動詞の連用形に付いて、他のことを忘れて一心にする意を表す。「読み―・る」
[類語]溺れる凝る耽溺惑溺専心いかれる打ち込む専念没頭没入傾注没我熱中夢中熱心鋭意無我夢中背水の陣緊褌きんこん一番浸る骨折る骨を折る根を詰める目の色を変える心血を注ぐ手を尽くす身を投ずる身を挺する体を張る明け暮れるめろめろぞっこん首ったけのめり込む入れ込む血道を上げる骨抜き執心頓着執着固執偏執我執とらわれる深入りはまるはまり込む身を焦がす狂おしい物狂おしい入れあげる病み付きとりこ心酔心ここにあらず心を奪う悩ましい熱狂的悶悶もんもん惑乱切ないやりきれない思い乱れる思い悩む思い焦がれるむな苦しい息苦しい重苦しい苦痛る瀬無い憂さ憂い不如意堅苦しい気詰まり忍びないエキセントリック逆上のぼせるのぼせるアブノーマル常軌を逸する乱心取り術無い辛酸をなめる心を痛める艱難かんなん思い煩う

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「耽る」の意味・読み・例文・類語

ふけ・る【耽】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「ふける(更)」と同源 ) 一つの事柄に度を越して深く心を奪われる。溺れる。専心する。没頭する。
    1. [初出の実例]「厭ふ者は背き、愚なる者は貪(フケル)〈国会図書館本訓釈 貪 フケル〉」(出典日本霊異記(810‐824)中)
    2. 「アクニ fuqeru(フケル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    3. 「どんな空想に耽(フケ)ってゐたか」(出典:星を造る人(1922)〈稲垣足穂〉)

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