深川(市)(読み)ふかがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「深川(市)」の意味・わかりやすい解説

深川(市)
ふかがわ

北海道中西部、空知(そらち)地方北部の石狩(いしかり)平野に位置する都市。1963年(昭和38)深川町と一已(いっちゃん)、納内(おさむない)、音江(おとえ)の3村が合併して市制施行。1970年多度志(たどし)町を編入。市名はアイヌ語「メム」(泉地の意)の意訳。付近の川が深いので名づけられたという。石狩川市域を西流し、旭川(あさひかわ)市との境界付近で神居古潭(かむいこたん)の渓谷をつくっている。JR函館(はこだて)本線、国道12号を軸に、留萌(るもい)本線、留萌への国道233号を分岐し、北部に275号が通じ、道央自動車道深川インターチェンジと深川留萌自動車道深川西インターチェンジもある交通の要衝。石狩川左岸の音江は1889年(明治22)旭川に通ずる上川(かみかわ)道路(現、国道12号)の駅逓(えきてい)開設に始まる地。右岸の深川地区は1893年成立の菊亭農場(きくていのうじょう)の中心であった地で、深川駅開設で市街に成長した。一已、納内は1895年に入植屯田兵村として開け、多度志は初め一已村に属していた。平野部は水田化が進んで空知第一の米作地となり、畑地ではタマネギなどの野菜山麓(さんろく)部の音江ではリンゴ、サクランボ栽培が行われるなど、農業を主産業とする都市である。音江環状列石は国指定史跡。面積529.42平方キロメートル、人口2万0039(2020)。

[柏村一郎]

『『深川市史』(1977・深川市)』


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