デジタル大辞泉 「渋」の意味・読み・例文・類語
じゅう【渋〔澁〕】[漢字項目]

1 なめらかに進まない。しぶる。「渋滞/
2 しぶい。にがにがしい。「渋面/苦渋」

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
いわゆる渋味を呈する物質の総称。主成分はタンニン質で、タンパク質を凝固させる性質があり、舌の粘膜タンパク質を凝固させて収斂(しゅうれん)性の渋味を感じさせる。柿渋(かきしぶ)が代表的なもので、ほかに茶渋などがある。未熟のカキをつぶして水とともに密閉した容器中で数日放置したのち、濾過(ろか)した上澄みが渋で、1年くらい密閉保存してから用いる。柿渋は赤褐色ないし黒褐色の液で、タンニンを2~3%含み、家具の漆(うるし)下地、番傘、渋紙、木材、漁網、綿布などに塗布して用いる。これは、柿渋のタンニンが塗布物の中に吸収されて不溶性物質となり、防腐性と防水性を与えるためである。
[吉田精一・南川隆雄]
食品中の渋の代表的なものは柿渋や茶渋である。このほか、野菜などのあく(灰汁)にも含まれ、いずれもタンニン系の物質で渋味がある。柿渋は、水溶性の形では味覚に渋味を与え、食用にならない。そこで、干したり、湯やアルコールで処理するなどして、タンニンを水に不溶性の形にして食用する。これを渋抜きとよんでいる。茶渋は、茶の種類により状態が異なる。緑茶ではタンニンそのままであるが、ウーロン茶のような半発酵茶ではタンニンがいくぶん酸化し、紅茶のような発酵茶では完全に酸化している。野菜では、ゴボウやヤマノイモなどにはポリフェノール化合物とよばれるタンニン系の物質があり、空気酸化によって褐色になる。リンゴ、ビワなどの果物の一部も同様である。酸化防止のためには、酢などの酸や、薄い食塩水などが効果をもつ。野菜類の場合は、タンニン系物質が多いと褐色になるだけでなく、あくとして味がよくないので、通常あく抜きをする。
[河野友美・山口米子]
『吉田精一・南川隆雄著『高等植物の二次代謝』(1978・東京大学出版会)』▽『石倉成行著『植物代謝生理学』(1987・森北出版)』▽『樋口隆昌編著『木質生命科学シリーズ2 木質分子生物学』(1994・文永堂出版)』▽『寺田昌道著『柿渋クラフト――柿渋染めの技法』(2000・木魂社)』
長野県北東部,下高井郡山ノ内町にある温泉。夜間瀬(よませ)川支流の横湯川に面し,安代(あんだい)温泉とは小さな橋をはさんでひとつづきの湯街をつくっている。古くから湯治場として知られ,大湯,笹ノ湯,神明ノ湯,熱ノ湯など9ヵ所の共同浴場をめぐる〈湯巡り〉が入浴法として伝わっている。泉質は弱食塩泉,泉温は46~96℃。長野電鉄湯田中駅からバスで5分。
執筆者:谷沢 明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…動物の皮を,通水性,通気性に乏しい革にすることができる植物成分。渋(しぶ)ともいう。原料は樹皮,実,葉,木部などで,多くはこれらの熱水可溶物である。…
※「渋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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