[名・形動]利益のないこと。むだなこと。また、そのさま。むやく。「無益な殺生(せっしょう)」「無益な争いはやめよう」⇔有益。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
〘名〙 (形動)(「えき」は「益」の漢音) 利益のないこと。役に立たないこと。また、そのさま。むだ。むやく。
※談義本・教訓乗合船(1771)二「およばぬ事をのみ、願ふ故に、無益(ムヱキ)に神心(しんしん)を労し」 〔書経‐旅獒〕
〘名〙 (形動) (「やく」は「益」の呉音)
※江談抄(1111頃)二「是討論以無益也云々」
※高野本平家(13C前)二「此謀反〈略〉無益(ムヤク)なりと思ふ心つきにけり」
② いまいましいこと。癪(しゃく)にさわること。また、そのさま。
※浄瑠璃・烏帽子折(1690頃)一「長田を討ずして逃げ来たる卑怯者、詞をかくるもむやく也と見ぬ顔して」
※いさなとり(1891)〈幸田露伴〉四三「口も碌(ろく)にはきかぬ男の腹の中(うち)無益(ムヤク)にむづかしく」
〘形口〙 むやく

し 〘形シク〙 くやしい。癪
(しゃく)にさわる。腹が立つ。
※評判記・難波物語(1655)「大かたのむやくしき事をも、かんにん有よしなり」
むやくし‐さ
〘名〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報