普及版 字通 「献(漢字)」の読み・字形・画数・意味
献
常用漢字 13画
(旧字)獻
20画
[字訓] たてまつる・ささげる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 会意
旧字は獻に作り、(けん)+犬。〔説文〕十上に「宗には、犬は羹獻(かうけん)と名づく。犬の肥えたるは、以て獻ず」という。〔礼記、曲礼下〕に、神饌とするときの薦献の名を定めて、「犬には羹獻と曰ふ」とあり、犬を供薦することもあった。しかし獻は(げん)の形に従っており、はこしきであるから、犬牲を供する器とはしがたい。(器)・・就・(ふつ)などに従う犬はみな修祓のために用いるもので、その血を以て礼(きんれい)を行うものであるから、供薦するためのものではない。獻もに犬牲をもって(きん)する意。彝器(いき)の彝が、鶏血をもってする意であるのと同じ。およそ祭器として用いるものは、みな獻という。
[訓義]
1. 牲犬で清めた献器、神にそなえささげるものを入れる。たてまつる、ささげる、すすめる。
2. 君上に奉ずることをいう。進献・献言・献酬のように用いる。
3. 賢と通じ、かしこい。
4. 犠と通じ、犠尊。
5. 儀と通じ、威儀。
6. (き)と通じ、。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕獻 タテマツル・ススム・サカユ・アフ/獻 タテマツリイル 〔字鏡集〕獻 タテマツル・カシコマル・ススム・アフ・マウス・サカユ・アクビナリ
[声系]
〔説文〕に声として獻・、また獻声として・など五字を収める。は桓圭(かんけい)、はまた(げつ)に作り、それぞれ桓・の字が用いられている。
[語系]
獻xian、享・xiangは声近く、みな神に享献し、食することをいう語である。
[熟語]
献遺▶・献飲▶・献可▶・献歌▶・献馘▶・献饋▶・献疑▶・献儀▶・献技▶・献議▶・献御▶・献供▶・献▶・献享▶・献芹▶・献金▶・献勤▶・献計▶・献芸▶・献見▶・献言▶・献功▶・献好▶・献祭▶・献歳▶・献策▶・献酢▶・献爵▶・献酒▶・献寿▶・献酬▶・献囚▶・献▶・献春▶・献笑▶・献觴▶・献捷▶・献上▶・献状▶・献臣▶・献身▶・献斟▶・献新▶・献瑞▶・献善▶・献尊▶・献替▶・献呈▶・献納▶・献盃▶・献媚▶・献否▶・献俘▶・献物▶・献謀▶・献奉▶・献民▶・献夢▶・献▶・献侑▶・献礼▶
[下接語]
一献・嘉献・献・献・享献・芹献・貢献・贄献・酌献・進献・薦献・文献・奉献・民献・礼献
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報