皆目(読み)カイモク

デジタル大辞泉 「皆目」の意味・読み・例文・類語

かい‐もく【皆目】

[副]
あとに打消しの語を伴って、強く否定する気持ちを表す。まるっきり。全然。「皆目見当がつかない」
まるまる全部、すっかりの意を表す。あとに否定的な意味内容のくることが多い。
風眼とやらをわづらひおりまして、両眼ともに―おっつぶして」〈滑・膝栗毛・三〉
[類語]全然全く一向さっぱりまるきりまるで少しもからきしちっとも一切まるっきり何らとんといささかも毫も微塵も毛頭更更何もなんにも何一つ一つとして到底とても全くもってどだいてんで寸分一寸寸毫毫末夢にも

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精選版 日本国語大辞典 「皆目」の意味・読み・例文・類語

かい‐もく【皆目】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙
    1. まるまる全部。まったく。否定的な意味の語に伴うことが多い。
      1. [初出の実例]「皆目(カイモク)のやぼ太郎は、むごうてふらず」(出典:浮世草子・好色二代男(1684)一)
    2. ( 下に打消の語を伴って強く否定するのに用いる。「に」を伴うこともあった ) てんで。ちっとも。まるっきり。全然。〔日葡辞書(1603‐04)〕
      1. [初出の実例]「かぶろにつかざれば、男をあいしらふ事、かいもくがてんゆかず」(出典:評判記・満散利久佐(1656)吉野)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 否定的な意味を含んで ) まったくだめなさま。まるっきりわからないさま。
    1. [初出の実例]「碁はかいもくなれど、商売の目算にさとく」(出典:談義本・当世下手談義(1752)二)

皆目の補助注記

近世以来の語。[ 一 ]は、「知れる」「見える」「わかる」などの動詞を否定する使い方が圧倒的に多いところが「かいしき」と異なる。「かいむく」から変化したものともいうが、未詳

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