毛頭(読み)モウトウ

デジタル大辞泉 「毛頭」の意味・読み・例文・類語

もう‐とう【毛頭】

[副](あとに打消しの語を伴って)毛の先ほども。少しも。「疑う気持ちは毛頭ない」
[補説]ふつう、気持ちや意思が無いことについて言い、「月末で金が毛頭ない」のようには言わない。
[類語]全然全く一向さっぱりまるきりまるで少しもからきしちっとも皆目一切まるっきり何らとんといささかも毫も微塵も更更何もなんにも何一つ一つとして到底とても全くもってどだいてんで寸分一寸寸毫毫末夢にも

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精選版 日本国語大辞典 「毛頭」の意味・読み・例文・類語

もう‐とう【毛頭】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 毛のはえた頭。
      1. [初出の実例]「毛頭細膩又調馴、更頼恩深剪払新」(出典田氏家集(892頃)中・元慶七年春右相賜文馬有感自題)
    2. 有髪侍童の称。稚児(ちご)喝食(かっしき)
      1. [初出の実例]「又錦江和尚、年及八十。勝定相公御代毛頭時、朝夕於殿中祗候」(出典:蔭凉軒日録‐文明一七年(1485)一〇月二九日)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 下に打消の語を伴って ) 毛の先ほども。少しも。いささかも。もうとうも。
    1. [初出の実例]「顔こそ如斯不肖なれ毛頭(モウタウ)虚言なんど申す法師ではなきぞ」(出典:地蔵菩薩霊験記(16C後)五)

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世界大百科事典(旧版)内の毛頭の言及

【人名制】より

…島役は人名数の多い笠島,泊浦から多く出たが,はじめ世襲制,のち人名による入札制に変わった。人名株を持たぬ者は毛頭(もうと)と呼ばれ,役負担のない代りに田畠・漁場の領知権は認められていなかった。毛頭は耕地を持たぬ無高百姓をさす間人(もうと)と同義であろう。…

※「毛頭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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