丸で(読み)マルデ

デジタル大辞泉 「丸で」の意味・読み・例文・類語

まる‐で【丸で】

[副]
違いがわからないほどあるものやある状態に類似しているさま。あたかも。さながら。「この惨状丸で地獄だ」「丸で夢のよう」
(下に否定的な意味の語を伴って)まさしくその状態であるさま。すっかり。まったく。「丸でだめだ」「兄弟だが丸で違う」
[類語](1ちょうどあたかもさながら/(2全く全然さっぱりまるきり少しも一向にからきしちっとも皆目一切まるっきり何らとんといささかも毫も微塵も毛頭更更何もなんにも何一つ一つとして到底とても全くもってどだいてんで寸分一寸寸毫毫末夢にも元元元来本来大体自体そもそも元より根っから今まで従来年来旧来これまで在来従前古来かねがねかねて常常つねづね間断かんだん延延連綿長長ながなが脈脈綿綿縷縷るる前前まえまえずっと生まれつき生来

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「丸で」の意味・読み・例文・類語

まる‐で【丸で】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「まる(丸)[ 一 ][ 二 ]」から )
  2. まさしくその状態に相当したり、類似したりするさまを表わす語。ちょうど。さながら。あたかも。
    1. [初出の実例]「三国玉屋の新兵衛を見たか、三国一のやさ男、まるでまるで繻子の鬢付刷毛長に釣鬢釣鬢、なぜに小鶴は出て待たぬぞ」(出典:歌謡・落葉集(1704)四・三国玉屋踊)
    2. 「恰(マル)河岸で鮪でもこなす様に切て仕舞ひました」(出典怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一五)
  3. 完全にその状態であることを強めていう語。まったく。
    1. [初出の実例]「併丸(マル)で初から交易をしなければ」(出典:交易問答(1869)〈加藤弘之〉上)
    2. 「全然(マル)感覚がなくなり」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android