丸で(読み)まるで

精選版 日本国語大辞典 「丸で」の意味・読み・例文・類語

まる‐で【丸で】

〘副〙 (「まる(丸)(一)(二)③」から)
① まさしくその状態に相当したり、類似したりするさまを表わす語。ちょうど。さながら。あたかも。
※歌謡・落葉集(1704)四・三国玉屋踊「三国玉屋の新兵衛を見たか、三国一のやさ男、まるでまるで繻子の鬢付刷毛長に釣鬢釣鬢、なぜに小鶴は出て待たぬぞ」
怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉一五「恰(マル)河岸で鮪でもこなす様に切て仕舞ひました」
② 完全にその状態であることを強めていう語。まったく。
交易問答(1869)〈加藤弘之〉上「併丸(マル)で初から交易をしなければ」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉八「全然(マル)感覚がなくなり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「丸で」の意味・読み・例文・類語

まる‐で【丸で】

[副]
違いがわからないほどあるものやある状態に類似しているさま。あたかも。さながら。「この惨状丸で地獄だ」「丸で夢のよう」
(下に否定的な意味の語を伴って)まさしくその状態であるさま。すっかり。まったく。「丸でだめだ」「兄弟だが丸で違う」
[類語](1ちょうどあたかもさながら/(2全く全然さっぱりまるきり少しも一向にからきしちっとも皆目一切まるっきり何らとんといささかも毫も微塵も毛頭更更何もなんにも何一つ一つとして到底とても全くもってどだいてんで寸分一寸寸毫毫末夢にも

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