内談(読み)ナイダン

デジタル大辞泉 「内談」の意味・読み・例文・類語

ない‐だん【内談】

[名](スル)
内々に話し合うこと。また、その相談。「運動方針について内談する」
室町時代引付衆ひきつけしゅうが行った政務評定
[類語](1相談打ち合わせ下相談談合示談話し合い合議協議商議評議評定ひょうじょう鳩首きゅうしゅ凝議ぎょうぎ密談用談来談商談額を集める膝を交える話し合う打ち合わせるはかはからう

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精選版 日本国語大辞典 「内談」の意味・読み・例文・類語

ない‐だん【内談】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 内々で話しあうこと。内密に話しあうこと。また、その相談。下相談。密談。内話
    1. [初出の実例]「御迎以下用意事、今日有内談」(出典吾妻鏡‐元久元年(1204)八月四日)
  3. 室町幕府の訴訟手続きの一つで、判決原案作成のための評議のこと。特に引付方(ひきつけかた)、あるいは内談方(ないだんかた)のそれを指す。
    1. [初出の実例]「所申有其謂者、内談之時、先以入門其沙汰」(出典:沙汰未練書(14C初))

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改訂新版 世界大百科事典 「内談」の意味・わかりやすい解説

内談 (ないだん)

室町幕府において,引付方侍所政所(まんどころ),問注所,地方(じかた)などの各部局内会議のことを内談と称した。中でも,所領問題についての裁判機関である引付方の内談は重要で,引付衆のことを内談衆とも呼んだ。内談の次第は,15世紀後半に著作されたとみられる《武政軌範》に見える。それによれば引付内談は,定期的には月6回,引付頭人邸で開かれ,引付衆および奉行人が出席する。奉行人中の古参者が会議の事務長役である開闔かいこう)を務める。会議では,開闔による案件説明の後,メンバーがあらかじめくじによって決められた順番に従って意見を述べる。審議の結果得られた結論は引付勘録事書としてまとめられ,将軍の決裁を受ける。引付以外の部局における内談も引付内談に準じて行われた。なお,南北朝時代の一時期,足利直義主導のもとに,引付方に代わる裁判機関として内談方と称する機関が設置されたことがあった。
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