打合せる(読み)ウチアワセル

デジタル大辞泉 「打合せる」の意味・読み・例文・類語

うち‐あわ・せる〔‐あはせる〕【打(ち)合(わ)せる】

[動サ下一][文]うちあは・す[サ下二]
物と物とをぶつけ合わせる。「グラスを―・せて乾杯する」
方法準備日取りなどについて、前もって相談する。「会の進行について―・せる」
楽器や声を合わせて、演奏したり歌ったりする。合奏・合唱する。
「琴に―・せたる拍子も」〈・若菜下〉
物と物とを近寄せて、うまく合うようにする。重ね合わせる。
「袖―・せて立ちたるこそをかしけれ」〈・七六〉
[類語]相談話し合い打ち合わせ下相談談合合議協議商議評議評定ひょうじょう鳩首きゅうしゅ凝議ぎょうぎ内談示談用談来談商談額を集める膝を交える話し合うはかはからう前前かねてかねがね何時か既往これまで従来従前その節先に当時古来あらかじめ年来旧来在来前以て先立ってかつてすでに見越し先刻早め根回し手回し早手回し手を回す地固めなら布石事前先手手当て準備下準備段取り手筈てはず下見予習備え伏線つとにとうにとっく示し合わせる言い合わせる申し合わせる口裏を合わせる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打合せる」の意味・読み・例文・類語

うち‐あわ・せる‥あはせる【打合】

  1. 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]うちあは・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙
  2. 物と物とを互いに打って、うまく合うようにする。
    1. (イ) 楽器などを打ってうまく合うように演奏する。合奏する。
      1. [初出の実例]「うちあはせたるつづみの声たえず、おもしろし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)御法)
    2. (ロ) 合うようにぶつける。ぶつけ合わせる。
      1. [初出の実例]「或は己等どち頬を打合せて仰様に倒れ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)
      2. 「夫人はわれと杯を打(ウチアハ)せて」(出典即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉好機会)
  3. ( 「うち」は接頭語 ) 互いに合うようにする。
    1. (イ) 合唱する。
      1. [初出の実例]「按察もむかしすぐれ給へりし御声のなごりなれば、いまもいとものものしくてうちあはせたまへり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
    2. (ロ) 二つの物を近寄せて、うまく合うようにする。かきあわせる。
      1. [初出の実例]「六位の蔵人の青色など着て〈略〉袖うちあはせて立ちたるこそをかしけれ」(出典:枕草子(10C終)七六)
    3. (ハ) あわせて一つにする。いっしょにする。
      1. [初出の実例]「こわけにわけたしをうちあわせて大なる一県として」(出典:史記抄(1477)四)
    4. (ニ) 鷹狩りで、獲物をねらって鷹を飛ばせる。
      1. [初出の実例]「少去て立てる鷹飼、鷹を放て打合せつ」(出典:今昔物語集(1120頃か)一九)
  4. ( 「うち」は接頭語 ) 都合などがうまく合うように、前もって相談する。
    1. [初出の実例]「翌日の汽車の時間なども打合はせた」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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