福井県最大の川で、越前・美濃国境にある
九頭竜川は「大乗院寺社雑事記」文明一二年(一四八〇)八月三日条に挿入された略図には「崩河」と記される。また長承元年(一一三二)九月二三日付の
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福井県嶺北地方を北流する川。支流の日野川,足羽(あすわ)川とともに下流域に福井平野を展開する。名称は〈崩れ川〉あるいは〈黒竜(くろたつ)川〉の転訛かという。本流は岐阜県郡上(ぐじよう)市境の油坂峠付近に発し,西流また北西流して大野盆地に入り,その北端勝山から志比谷を西流,坂井平野に出てその西縁を北流し,三国で日本海に入る。幹川流路延長116km,全流域面積2930km2。日野川は岐阜・滋賀県境の三周ヶ岳付近に発して北流,武生盆地に出て,その北で西から天王川,東から浅水(あそうず)川を合わせ,城山付近の狭隘を破って福井市街の北西で九頭竜川に入る。そのやや上流で日野川に合流する足羽川は,岐阜県揖斐川町境の冠山付近に発して北流,西に転じて狭義の福井平野に出,福井市街を南東から北西へ貫流する。河口近く,三国の町並みの南で九頭竜川に入る竹田川は,坂井市東方の石川県境の山地に発し,坂井平野に出て自然堤防の発達が著しい。竹田川合流点付近が三国湊発祥の地であり,近世まで舟運は本流は勝山,日野川は鯖江の南の白鬼女(しらきじよ)(支流吉野瀬川は武生の北の柳原),足羽川は福井市東端の宿布,竹田川は金津まで通じ,物資を集散して三国湊の繁栄を支えた。福井平野が沈降性の低地であるため,本支流とも谷口の扇状地は発達が悪く,低湿な三角州状の沖積地が広い。中流域に大野・武生盆地があって土砂を堆積し,下流へ流送されるものが少ないことも一因である。これが積雪とともに米の単作地の原因となっている。鳴鹿(なるか)から本流の水を引く十郷用水,足羽川の酒生(さこう)・徳光用水,日野川の竹ヶ鼻用水などの開設は近世以前にさかのぼる。電源開発が進み,本流に長野ダム,真名(まな)川に笹生(ささお)川ダム,日野川に広野ダムなどがある。
執筆者:島田 正彦
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福井県北部を流れる川。一級河川。福井・岐阜県境にある標高約800メートルの油坂峠に源を発し、西流して九頭竜湖(ダム湖)に入る。九頭竜ダムは、御母衣(みぼろ)ダムに次ぐロックフィル式ダムで、発電、灌漑(かんがい)、水利調節に大きく寄与している。本流は下流の大野(おおの)市朝日で石徹白(いとしろ)川の水をあわせ、北進または西進して荒島岳を迂回(うかい)し、勝原(かどはら)で打波(うちなみ)川をあわせ大野盆地に入る。ここで真名(まな)川をあわせ、さらに北流し勝山盆地に入り、滝波(たきなみ)川をあわせ、西流し鳴鹿山鹿(なるかさんか)付近で福井平野に出る。ここで緩い扇状地をつくりつつ西流し、南方から流れてきた日野川をあわせ、以下きわめて低平なデルタ性氾濫原(はんらんげん)をつくりつつ三国(みくに)港で日本海に注ぐ。延長116キロメートル、流域面積2930平方キロメートル。福井平野の穀倉地帯形成に大きく貢献した「母なる川」である。上流の九頭竜峡は奇勝に富み、とくに仏原(ほとけはら)付近の景色はみごとである。また上流は電源地帯としての重要性のほか、林産、鉱産資源の宝庫でもある。
[印牧邦雄]
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