(読み)オレ

デジタル大辞泉 「俺」の意味・読み・例文・類語

おれ【俺/己/乃公】

[代]一人称人代名詞。元来、男女の別なく用いたが、現代では、男子同輩または目下に対して用いる。「―と貴様の仲」
[類語]わしおいらおらあっしこちとら自分わたくし・わたし我がはい手前小生愚生あたくしあたしあたいわらわあちき当方此方こちらこっち吾人ごじんてめえ・愚輩・拙者身共それがし不肖ふしょう迂生うせい

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精選版 日本国語大辞典 「俺」の意味・読み・例文・類語

おれ【俺・己・爾・&JIS87CB;】

  1. 〘 代名詞詞 〙
  2. 対称下位の者に対して、もしくは相手をののしる時などに用い、軽蔑の意を含む。→うれ
    1. [初出の実例]「意礼(オレ)を取殺(と)れと詔りたまひて遣はせり」(出典古事記(712)中)
  3. 自称。広く貴賤男女を問わず目上にも目下にも用いた。現代では、男子が、改まらない場面で同等もしくは目下に対して用いる。
    1. [初出の実例]「をれが母にて候ふものこそ、姉よりもよく候へ」(出典:古今著聞集(1254)一六)

おら【俺・己】

  1. 〘 代名詞詞 〙 自称。本来は卑しい男性の使用する語であったが、江戸時代においては「おれ」「おいら」とともに江戸町人女性も用いた。おらあ。
    1. [初出の実例]「なんのかのおっしゃれても、おらがひるめしはよそへずい」(出典:狂言記・苞山伏(1660))

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普及版 字通 「俺」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] エン
[字訓] おおきい・われ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は奄(えん)。奄にものを掩う意がある。〔説文〕八上に「大なり」とあり、前条の(伴)も同訓。伴に胖の意がある。

[訓義]
1. おおきい、ゆたか。
2. のち、元曲では自称に用いる。われ。
3. おろか。

[古辞書の訓]
名義抄〕俺 オホイナリ 〔字鏡集〕俺 オホヘリ・オホヰナリ

[語系]
俺iuam、奄・iamは声近く、みな蓋う意がある。

[熟語]
俺們・俺俺抜

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