(読み)ボク

  • ▽僕
  • やつかり
  • やつがれ
  • 漢字項目

デジタル大辞泉の解説

[名]男の召使い。下男。
[代]
一人称の人代名詞。男性が自分のことをさしていう語。対等またはそれ以下の人に対して用いる。「んちにおいでよ」「君のほうがより若い」
小さい男の子に対して呼びかける語。「のお名前は」
[補説]1は、現代では親しみのあるくだけた言い方として使われ、改まったときは「わたくし」を用いる。古くは「やつがれ」と読み、相手に対してへりくだる気持ちで用いられた。明治時代から、書生・学生が「ぼく」と読んで用いるようになった。
常用漢字] [音]ボク(呉) [訓]しもべ
男の召使い。下男。しもべ。「僕婢(ぼくひ)家僕下僕公僕従僕臣僕忠僕奴僕(どぼく・ぬぼく)童僕老僕
[代]《「やつこ(奴)あれ(吾)」の音変化という。古くは「やつかれ」》一人称の人代名詞。自分をへりくだっていう語。上代・中古では男女を通じて用いたが、近世以降は、男性がやや改まった場で用いるのに限られた。
「―御身の云う如く、如何にも御身が奴僕(ぬぼく)となり」〈井上勤訳・狐の裁判〉
「―弔使にひて、共に筑紫に到(まういた)る」〈皇極紀〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

一人称。男が自分をさして言う語。 -はきみにすまないことをした -の本 (1) 一般に対等または目下に向かって用いる。おれよりは丁寧。目上に対して話す時やあらたまったところではわたくしを用いる。 (2) 漢文の中では、古代から男子のへりくだった表現として用いられるが、やつがれなどと訓読されるのが一般である。明治以降、ぼくの形で書生などが用いるようになり、現代では男子の自称として広く用いられるようになった。 (3) 子供に対して、-、お名前はのように呼びかけの語として使われる場合もある
男の召し使い。下男。下僕げぼく
奴吾やつこあれの転。古くはやつかれ
一人称。自分自身をへりくだっていう。上代では男女ともに用いた。 亦-憂へまうす所なり/日本書紀 安閑訓 近世には、男性がやや改まった場で用い、明治以降は書生言葉などで用いられた

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

[1] 男のめしつかい。下男。しもべ。〔譬喩尽(1786)〕 〔詩経‐周南・巻耳〕
[2] 〘代名〙 男子の自称。
※談義本・根無草(1763‐69)前「僕(ボク)儀は何によらず、祝儀の席をはづさず、仁義礼智のはしくれも覚へしとて、儒者の数に加へらるれば」 〔司馬相如‐子虚賦〕
[語誌]((二)について) 漢文の中では、古代から男子の、非常にへり下った表現として見られるが、訓読されるのが一般的であった。奈良時代の訓は不明だが、平安時代以後は「やつがれ」がふつう。江戸時代の漢文から「ぼく」の形で、対等もしくは目下の者に対する自称の代名詞として青年・書生などが使った。以後多用されるようになり、現代では特に少年男子の自称として広く用いられる。
〘代名〙 =やつがれ(僕)(一)
※書紀(720)皇極二年一一月(岩崎本訓)「僕(ヤツカリ)天皇の宮を守りて」
(古くは「やつかれ」。「やつこ(奴)あれ(吾)」の変化したものという)
[1] 〘代名〙 自称。自分をへりくだっていう。上代、中古では、男女を通じて、へりくだる場面で用いられた。近世以降になると、もっぱらある程度の身分ある男性の、やや改まった場での文語的な用法という感じで使われ、近世後期には気どったり茶化したりする用法にもなった。これは明治初期まで引き継がれ、その後は、書生ことばなどで、ややおどけた口調の際などに用いられている。やつかり。
※書紀(720)皇極元年正月(岩崎本平安中期訓)「臣(ヤツカレ)予使に随ひて共に筑紫に到(まういたれ)り」
[2] 〘名〙 下働きの男。下男。下僕。しもべ。〔二十巻本和名抄(934頃)〕

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