デジタル大辞泉 「献」の意味・読み・例文・類語
けん【献〔獻〕】[漢字項目]
〈ケン〉1 上位者や神仏に物をさしあげる。「献金・献血・献上・献呈・献本/貢献・奉献」
2 客に酒をすすめる。「献酬・献杯」
3 物知り。賢人。「文献」
〈コン〉1 杯のやりとりの度数。「
2 料理の取り合わせ。「
[名のり]すすむ・たけ
〈ケン〉
〈コン〉


(けん)+犬。〔説文〕十上に「宗
には、犬は羹獻(かうけん)と名づく。犬の肥えたる
は、以て獻ず」という。〔礼記、曲礼下〕に、神饌とするときの薦献の名を定めて、「犬には羹獻と曰ふ」とあり、犬を供薦することもあった。しかし獻は
(げん)の形に従っており、
はこしきであるから、犬牲を供する器とはしがたい。
(器)・
・就・
(ふつ)などに従う犬はみな修祓のために用いるもので、その血を以て
礼(きんれい)を行うものであるから、供薦するためのものではない。獻も
に犬牲をもって
(きん)する意。彝器(いき)の彝が、鶏血をもって
する意であるのと同じ。およそ祭器として用いるものは、みな獻という。
(き)と通じ、
。
タテマツリイル 〔字鏡集〕獻 タテマツル・カシコマル・ススム・アフ・マウス・サカユ・アクビナリ
声として獻・
、また獻声として
・
など五字を収める。
は桓圭(かんけい)、
はまた
(げつ)に作り、それぞれ桓・
の字が用いられている。
xiangは声近く、みな神に享献し、
食することをいう語である。
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献・
献・享献・芹献・貢献・贄献・酌献・進献・薦献・文献・奉献・民献・礼献出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
献はけん、たてまつる、ささげるとも音・訓する。一般に献呈、献立、文献などと使っている。こんと音読すると、酒席に関連し、「一献さしあげたい」などと使用された。酒宴、もてなしなどに出される膳部(ぜんぶ)や杯(さかずき)(盃)の度数を示す語とされてきた。杯を3回重ねることを一献という。すなわち、1杯飲むのが一度で、3杯が一献になる。多人数の席で一度杯が回るのが一巡で、三度三献がよいとされていた。三度酒を飲むのが作法で、三献までは起座献杯をしないのが酒席の礼儀とされた。献の使用は鎌倉期の『古今著聞集(ここんちょもんじゅう)』とか、後の『徒然草(つれづれぐさ)』にみられるが、故実(こじつ)の研究者伊勢貞丈(いせさだたけ)の天保(てんぽう)14年(1843)上梓(じょうし)の『貞丈雑記(ていじょうざっき)』には、酒盃(しゅはい)之部に盃のことをつぶさに書き述べている点から、酒の作法もこのころには確立していたと考えられる。現在、一般には酒は作法ではなく楽しく飲むものとすれば、献のことばは古語に入る用語といえる。
[福井晃一]
『『貞丈雑記』(1952・明治図書出版・故実叢書)』▽『坂本太郎監修『風俗辞典』(1957・東京堂出版)』
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...