デジタル大辞泉
「頂戴」の意味・読み・例文・類語
ちょう‐だい〔チヤウ‐〕【頂戴】
[名](スル)
1 もらうこと、また、もらって飲食することをへりくだっていう語。「結構な品を頂戴いたしました」「お𠮟りを頂戴する」「もう十分頂戴しました」
2 (多く、女性・子供の用いる語)
㋐物を与えてくれ、また、売ってくれという命令の意を、親しみの気持ちをこめて促すようにいう語。ください。「それを頂戴」「牛肉500グラム頂戴」
㋑「…てちょうだい」の形で補助動詞の命令形のように用いて、相手に何かをしてもらうのを促す気持ちを、親しみをこめていう語。「その新聞を取って頂戴」
3 顔の上にささげ持つこと。
「黄衣の神人神宝を―して、次々に順ふ」〈太平記・三九〉
[アクセント]1はチョーダイ、2はチョーダイ。
[補説]電話の応対などで「お名前を頂戴できますか」などと言うが、これは正しくない。「名前を頂戴する」というのは、例えば主君の名をそのまま、またはその一部を戴いて自分や子供の名にすることである。よって簡略には「お名前をお願いします」、さらには「お名前をお聞き(お伺い)できますか」くらいでよい。平成10年代半ば頃から広がったという。
[類語]食べる・貰う・押し頂く・受ける・受け取る・収める・収受・受納・受領・受給・受贈・譲り受ける・貰い受ける・授かる・頂く・賜る・拝領・拝受・申し受ける
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ちょう‐だいチャウ‥【頂戴】
- 〘 名詞 〙
- [ 一 ]
- ① 敬意を表わして、いただき物などを目より高くささげ、頭を低くさげること。うやうやしくささげること。
- [初出の実例]「新羅恵日、渉二三韓一而頂戴」(出典:性霊集‐二(835頃)大唐青龍寺故三朝国師碑)
- 「黄衣の神人神宝を頂戴(チャウダイ)して」(出典:太平記(14C後)三九)
- [その他の文献]〔梁武帝‐金剛般若懺文〕
- ② もらうことの謙譲語。賜わること。いただくこと。
- [初出の実例]「玉のかんざしいしのおびを、せいらいにあたへたび給へば、かたじけなくも、ちゃうだいいたし」(出典:虎明本狂言・政頼(室町末‐近世初))
- ③ 特に、飲食物をいただくこと。
- [初出の実例]「御りゃうりちゃうたいつかまつり、ありかたいしあわせにそんしたてまつりまする」(出典:重刊改修捷解新語(1781)七)
- [ 二 ]
- ① ( 動詞の命令形のように用いて ) 物を与えてくれること、また、売ってくれることを、親しみの気持をこめて促す語。ください。
- [初出の実例]「けさはいそがしくて、汁をこしらへませぬ。一ぱいてうだい」(出典:咄本・春袋(1777)自慢も相手)
- ② ( 動詞の連用形に、助詞「て」の付いた形や、動詞の未然形に「ないで(んで)」の付いた形に添え、補助動詞の命令形のように用いて ) ある事を親しみの気持をこめて相手に求める語。
- [初出の実例]「はばかりだがおめへの傍のフラスコをとっててうだい」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉六)
頂戴の語誌
( 1 )[ 一 ]①の意味の漢語から、そのような動作をして物をもらうことを「頂戴す」「頂戴つかまつる」などと表現するようになり、[ 一 ]②の意が生じた。
( 2 )[ 二 ]の用法は、もと、「安愚楽鍋〈仮名垣魯文〉三」の「一番の景物がお酣直しのおとッくりヘイ一寸お酌二番がお猪口を頂戴(テウダイ)かネ」のように、手で物をいただくしぐさとともに「頂戴つかまつる」の省略形として用いられたのに始まると思われる。明治以後現代では主として婦人幼児語として用いられる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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「頂戴」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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