軒並(読み)ノキナミ

デジタル大辞泉 「軒並」の意味・読み・例文・類語

のき‐なみ【軒並(み)】

家が軒を連ねて並び建っていること。家並み。「宿場町の古い軒並み
並んでいる家の一軒一軒。家ごと。「刑事軒並みに聞いてまわる」
(副詞的に用いて)どこもかしこも。どれもこれも。「不況で企業は軒並み経営不振だ」
[類語](1家並いえな家並やな/(3丸ごとそっくりそのまま全部徹頭徹尾残らず残り無く余すところなくことごとく通じて総じてつぶさにこぞって丸丸身ぐるみ全一ぜんいつ全的全面的一通り一渡りごそっとごっそりすっかり一つ一つおよ有りと有る有りとあらゆる全容全貌おんぶにだっこオールラウンドすることなすこと何から何まで一部始終全体裏表網羅丸きり丸っきりあるがまま一揃ひとそろ一式十把ひとからげひとまとめありったけ総なめ細大漏らさず洗いざらい何もかも何でもかんでも根こそぎ漏れなく隈なく万事一から十まで一切いっさい一切合切いっさいがっさい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「軒並」の意味・読み・例文・類語

のき‐なみ【軒並】

〘名〙
① ある家と別の家とが、軒を接していること。また、その家。隣りどうしである家。隣家。のきならび。
歌舞伎彩入御伽草おつま八郎兵衛)(1808)序幕「いつの間にか八郎兵衛を聟にして、軒(ノキ)なみの三郎兵衛を馬鹿にさっしゃるの」
② 多くの家が軒を接して建ち並んでいること。また、その家々。家並み。転じて、まわりの家々。界隈。のきならび。
※柏玉集(1527頃)「山風の空ふきはらふたえまより軒なみしろきさみだれの空」
③ (隣接するものが全部の意で、副詞的にも用いる) どこもかしこもみな。また、どれもこれもみな。
※明治大正見聞史(1926)〈生方敏郎〉大正十年歳晩記「お廻りさん自身が軒並お勝手口から訪問して、台所の上げ板を上げさせ」

のき‐ならび【軒並】

〘名〙
私聚百因縁集(1257)九「軒並(ノキナラヒ)の壁なんどふすぼり燋」
浮世草子日本永代蔵(1688)二「呉服町の肴棚かりて、上々吉諸白の軒(ノキ)ならびには出しけれ共」

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