うっかり(読み)ウッカリ

デジタル大辞泉 「うっかり」の意味・読み・例文・類語

うっかり

[副](スル)
ぼんやりして注意が行き届かないさま。「うっかり(と)秘密をしゃべる」「うっかりして大事な物を置き忘れた」
心をひかれて他に注意の向かないさま。うっとり
「擦寄って、―と見惚みとれて居る」〈鏡花婦系図
[類語]思わず思わず知らずつい知らず知らず無意識ひょっと覚えず我知らず何気無し鈍感鈍いうかつ無自覚無感覚無責任無神経不用意不注意無意識的散漫抜かり手落ち手抜かりそつ手抜き遺漏疎漏抜かるうかうかノーマークついつい我にもなくうかと不覚不意ふと思いがけず図らずもはしなくもゆくりなくあいにく折あしく折もあろうにはしなくひょっと図らず

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「うっかり」の意味・読み・例文・類語

うっかり

[1] 〘副〙 (「と」を伴っても用いる)
① 心を奪われている状態にいう。うっからと。うっかと。
(イ) 心に衝撃をうけるなどして、ぼうぜんと放心しているさまを表わす語。
※三体詩幻雲抄(1527)「妻子にも離別する思いに堪かねてうっかりとしたる也」
俳諧・伊達衣(1699)上「冠をも落すばかりに泣しほれ〈芭蕉〉 うっかりつづく文を忘るる〈等躬〉」
(ロ) 気ぬけしてぼんやりしているさまを表わす語。〔日葡辞書(1603‐04)〕
洒落本・繁千話(1790)「馬骨はうっかりとして居たるが、びっくりして」
(ハ) 美しいもの、快いものなどに心を引かれているさま。うっとり。
※俳諧・曠野(1689)一「うっかりと春の心ぞほととぎす〈市山〉」
人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「男もつくづくと見れば思へはうつくしきすがたにうっかり」
② 不注意で気づかないでするさま。不用意に。「うっかりして鍵を締め忘れた」
咄本・当世手打笑(1681)二「ねいりたら、しめころさうとのたくみであらう。うっかりとはねまいぞ」
※歌舞伎・裏表柳団画(柳沢騒動)(1875)五幕「ついうっかり差上げましたと言うて済まうと思ふかいの」
[2] 〘名〙 注意が足りないこと。また、そのような人。ぼんやり。
政談(1727頃)一「代々其家中の人に崇めらるる故、其主人と左のみ替らぬうっかり也」

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