エントロピー(熱)(読み)エントロピー

百科事典マイペディアの解説

エントロピー(熱)【エントロピー】

物質系の熱力学的な状態を示す物理量の一つ。〈物体が絶対温度Tのもとで準静的過程により(つまり可逆的に)微小熱量dQを受けとるとき,そのエントロピーSはdS=dQ/Tだけ増加する〉と定義。熱力学第二法則によれば,物質系が外部と熱の出入りなしに変化(断熱変化)するとき,変化が可逆的であればエントロピーは変化しないが,不可逆的であれば必ず増大する(エントロピー増大の原理)。したがって外部から熱的に孤立している系では内部の変化は常にエントロピーの増大する方向に起こる。統計力学からはエントロピーSは熱力学的確率(系の一つの巨視的状態に対応する可能な微視的状態の数)WによりS=k log(/e)W(kはボルツマン定数)と定義され,エントロピー増大の原理は系の分子運動が秩序正しい(確率小)状態から無秩序な(確率大)状態に移るのが自然であることを示すものと解される。entropyは変化を意味するギリシア語から1865年クラウジウスが命名。→熱力学の法則
→関連項目永久機関ゴム状弾性時間(物理)自由エネルギー熱力学不可逆変化ボルツマン

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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