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ギャング

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ギャング

(1) gang 一般には,徒党的集団をさす。学童などの仲間集団にその典型がみられ,掟を形成し,内的結束が強く,ときに反社会的,暴力的な不健全な状態になることもある。通常の規範的価値体系に性格的に順応しえない人間が仲間を結成し,いわゆる自己に対する社会的な価値剥奪を前進的な価値ではなく退行的,逃避的な価値によって補完しようとする。こうした意味でのギャングは主としていわゆる社会的解体現象──社会の高度化,複雑化,多岐化など──が生じやすい地域に発生することが多い。 (2) gangster 主としてアメリカ都市犯罪組織の構成メンバーをさす。 19世紀には盗賊団メンバーを意味したが,現在では賭博,売春,麻薬売買,不当高値強制取引,レジャー産業などを資金源とする組織に所属する者をさす。禁酒法時代 (1920~33) にニューヨークシカゴニューオーリンズなどを中心にギャング組織は大いに発達し,全国的組織を形づくり都市犯罪の温床となった。

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デジタル大辞泉の解説

ギャング(gang)

暴力的犯罪者の一団。また、その一員。特に、米国の犯罪組織をさしていうことが多い。
強盗。「銀行ギャング

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百科事典マイペディアの解説

ギャング

本来は囚人捕虜,職人などの集団をさすが,転じて暴力的犯罪活動によって金銭的利益を得ようとする反社会的集団をいう。公的権力の及ばぬ地帯や体制の間隙に発生しやすく,強固な組織と,外部に対する闘争性を特色とする。

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世界大百科事典 第2版の解説

ギャング【gang】

犯罪者のグループ。ギャングという英語には〈物のひとそろい〉の意味があり,そこから〈労働者,奴隷,囚人あるいは悪党の集団〉の意味が派生した。また,古くは〈行くという行為,様態あるいは道〉の意味があることも示唆的である。アメリカでは,植民地時代から街道強盗,馬どろぼうがいたが,彼らは〈bandit〉〈robber〉〈highway robber〉〈outlaw〉などと呼ばれ,ギャングの語は1657年に〈動物の群れ〉,1823年までには〈悪徳政治家の一味〉の意味で使われ,70年ころに〈犯罪者のグループ〉の意味が定着した。

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大辞林 第三版の解説

ギャング【gang】

犯罪者のグループ。特にアメリカの組織的な暴力的犯罪者の集団。ギャングスター。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ギャング
ぎゃんぐ
gang

いっしょに活動している人々の一団を意味し、労働者、囚人などの集団のほか、とくに少年の近隣的集団をさす場合と、犯罪的な組織集団をさす場合とがある。スラッシャーFrederic M. Thrasher(1892―1962)の『ギャング』The Gang(1927)は、大都市に自然発生的に形成された少年集団を研究したこの方面の代表的な著作である。[岩井弘融]

犯罪者集団

成人の犯罪組織の成員は、英語ではギャングスターgangsterとよばれる。アメリカの組織犯罪の最大のシンジケートは、マフィアMafiaあるいはコーザ・ノストラCosa Nostraである。全米の24のファミリーfamilyの下に3000人から5000人がこの組織に属している。マフィアはイタリアのシチリア島の秘密結社に発し、アメリカの歴史に現れたのは1870年ニュー・オーリンズにおいてであるといわれる。東部海岸の大都市への大量のイタリア人移民労働者の流入とともに、この組織が持ち込まれ、他の移民集団との闘争を経て、1930年ごろまでに暗黒街を制覇するに至った。中西部では鉄道敷設の未熟練労働者の大量移住でセントルイス、シカゴ、クリーブランドの3市にその組織ができ、ブラック・ハンド(黒手組)と並びその勢力を拡大し、1910年から1920年代の禁酒法時代にその最盛期を迎え、暗黒街の王者アル・カポネが制圧した。その組織もアメリカナイズされて、企業的な犯罪組織としてコーザ・ノストラ(イタリア語で「われらのもの」の意)とよばれる複雑化を遂げるに至った。都市の急速な拡張、銃器の普及と相まって、ギャング団の闘争はつねに繰り返されてきた。カポネがモランBugs Moran一派を襲った1929年のシカゴの有名なバレンタインデーの虐殺、50人から60人の死者を出し、最大の殺戮(さつりく)といわれたニューヨークのマランツァーノSalvatore Maranzano対マッセリーアGiuseppe Masseria戦争、1960年から1963年のギャロ兄弟The Gallo brothers対プロファッチJoseph Profaci戦争およびその延長の1972年のコロンボJoseph Colombo対ギャロJoseph Gallo闘争などはその典型である。
 単位としてのファミリーは20人から700人の成員からなり、たいていの都市に一つ、ニューヨークには五つある。その長のボスはドンとかカーポとかよばれる。その下のアンダー・ボスの任務は、情報の収集や命令の伝達である。相談役ないし助言者のコンシグリエレは、アンダー・ボスとほぼ同地位だが、半退役の年長メンバーがあたっている。アンダー・ボスの下に実戦部隊の長としての複数のカーポレギア(別名リューティナント)があり、平組員の多数のソルジャーを動かしている。その活動は、非合法面では賭博(とばく)、麻薬の密輸・密売、高利貸、恐喝、売春など、合法面では食料品店、不動産業、運送会社、ごみ清掃、酒場、労働組合、自動販売機などの各方面に及んでいる。
 その特徴は、州や大都市の行政官、政治家、実業家、警察官、判事、検事などにまでしばしばその触手を伸ばしていることや、組織の秘匿性がきわめて強いことである。したがって、ファミリーの全国的な規模の連合体であり、最高支配体であるコミッションの存在についても、これを肯定する者と同時に、マフィアの神話として否定する者もいる。また、カリフォルニア、ネバダなどの西部地域におけるギャングにはかならずしもこのようなマフィア型の構造がみられるわけではない。銀行強盗、誘拐を小集団で行う群小ギャングも少なくない。[岩井弘融]
『F. M. Thrasher The Gang (1927, rev. 1936, Univ. of Chicago Press, U.S.A.) ▽岩井弘融著『犯罪社会学』(1964・弘文堂) ▽F・J・クック著、小菅正夫訳『マフィア犯罪白書』(1972・早川書房)』

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