翻訳|grill
網焼き料理およびこれに用いる器具のこと。本来はロースト用よりは小さく切った獣鳥肉,魚貝類を炭火やガス火の上に置いた焼網や鉄灸(てつきゆう)にのせて直火(じかび)で焼く方法で,焼色とともに直火焼特有の風味がつくのが特色である。一般には,材料から出る脂が溝に落ちるように作られた溝付きの鉄板で格子模様の焼きめをつけて焼く方法が用いられている。調理上のたいせつな点は,網や鉄板を清潔に保ち,材料を置く前に十分に熱して焦げつかぬようにすること,材料の表面にはサラダ油かバターを塗って調理中に乾燥することを防ぐことなどである。この料理にはレモン汁と刻みパセリ入りの合わせバターやタルタルソース,レモンなどがよく合う。なお欧米では網焼き料理を出すレストランやホテル内の食堂をグリル,あるいはグリルルームというが,日本においては単に洋風料理を出す軽食堂を呼ぶことが多い。
執筆者:辻 静雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
鳥獣肉類、魚貝類、野菜類などを鉄網で直火(じかび)焼きにする料理である。焼き方は、まず網に油を塗っておき、焼く材料の肉(ヒレ肉、ロース肉、肝臓など)に塩、こしょうをしてバターを塗りながら焼く。また、マリネしてから焼くこともある。魚類は生臭みを消すために、香料をきかせたサラダ油に漬けてから焼く。小魚はまるのまま、腹の両側に斜めの碁盤目に切れ目を入れて使い、貝類は殻ごと焼くことが多い。焼き上がったものに網目のついているのが上等である。ソースには酸味、辛味のあるものが主として用いられる。付け合せとしては、魚貝類にはゆでた季節の野菜とパセリを、鳥獣肉類にはフライドポテト、クレソンなどを添える。
この料理は普通、昼食に用いるが、日本ではとくに牛肉のグリルが賞味され、ホテルや料理店などにはグリル・ルームというグリル専門の料理場があって、客は好みの肉片を選んで目の前でグリルさせて、焼きたてを楽しむ。なお、料理法から転化して網焼き料理の店をグリルというが、日本では一般料理店にもグリル名をかぶせてよぶこともある。
[小林文子]
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