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シュメール シュメール Sumer

翻訳|Sumer

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

シュメール
シュメール
Sumer

古代ギリシア人バビロニアと呼んだ地の南部,メソポタミアの南東端,現イラク南部の沖積平原をさす地名。シュメールとは,楔形文字でキ・エン・ギ (・ラ) KI-EN-GI(-RA)と記され,バビロニアの古住民は台地部分をアッカド,低地部分をシュメールと呼んだ。

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デジタル大辞泉の解説

シュメール(Sumer)

古代バビロニア南部の地名。また、そこに住む民族。前3000年ごろに都市国家を建設、楔形(くさびがた)文字青銅器を発明した。スメル

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百科事典マイペディアの解説

シュメール

南部バビロニアの古名,また民族名,言語名。前3800年ころから前3000年ころにかけて人類最初の都市文明を発展させ,形成期のエジプト文明にも影響を与えた。ウルウルクウルク文化),キシュニップールラガシュなどが中心都市で,特にニップール市の神エンリルは全バビロニアの主神で諸都市の宗教的中心となった。
→関連項目アッシリアエリドゥギルガメシュ叙事詩シュメール語メソポタミア

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世界大百科事典 第2版の解説

シュメール【Sumer】

古代バビロニア沖積平野の中・南部をさす地名。正しくはŠumer。現代のイラク南部の2行政区,ディーワーニーヤDīwānīya,ナーシリーヤNāṣirīyaにほぼ相当する。この地は前3千年紀末には,KI.EN.GI(‐RA)と書かれ,シュメルと読まれたらしい。シュメールはまた,この地で発達した世界最古の都市文明や,この文明の創始・発展に決定的に貢献した民族や,その言語の名をも示す。
[定住――ウバイド期
 この地はティグリス,ユーフラテス両大河の運ぶ肥沃な沈泥(シルト)によってつくられた沖積平野の中・下流地帯の低湿地で,アシの生い茂る沼沢や鹹湖があり,陸地の大部分は春に草の生えるだけの荒地であった。

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大辞林 第三版の解説

シュメール【Sumer】

イラク、メソポタミア南部のチグリス川・ユーフラテス川の下流域。世界最古の文明の興った地方。スメル。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シュメール
しゅめーる
Shumer

古代メソポタミア南部に位置する地域名で、古代文明発祥の地。スメルSumerともいう。のちに、バビロニアとよばれる地方のほぼ北半分がアッカドペルシア湾に臨む南半分がシュメールとよばれた。ただしシュメールという呼称はアッカド人によるもので、シュメール人自身はキエンギ(ル)ki-en-gi(r)と称した。この地域にいつごろシュメール人が来住したかは不明で、その来住経路や原住地の問題、シュメール語の系統に関する問題などとともに、一般にシュメール問題とよばれる。[吉川 守]

文字と言語

出土遺物の比較研究によって類別されるウルク期(前3000ころ~前2800ころ)の文化がシュメール人に属することは一般に認められているが、それに先行するウバイド期の文化がシュメール人によって形成されたものであるかどうかは不明である。ウルク期に出現する楔形(くさびがた)文字の原形である古拙(こせつ)文字はシュメール人の発明になるもので、紀元前50年ごろまでほぼ3000年にわたって古代オリエント全土で使用された。楔形文字を採用した主要な民族は、アッカド人、アッシリア人、エラム人、フルリ人、ヒッタイト人、ウラルトゥ人、カッシート人などである。
 シュメール文化の多くはシュメール語と楔形文字を通して古代オリエントに伝えられた。シュメール語は接頭辞、接中辞、接尾辞の発達した典型的な膠着(こうちゃく)語であるが、言語的系統はまだ解明されていない。シュメール人がメソポタミアにおける主権を喪失するウル第3王朝以後はおそらく死語化の道をたどったと考えられるが、それ以後も一種の文化語として存続し、学習された。対訳の語彙(ごい)表などが、バビロニア以外のヒッタイト、エラム、ウガリト、エブラその他でも多数発見されている。[吉川 守]

都市国家の形成

ウルク期からジェムデト・ナスル期(前2800ころ~前2700ころ)にかけて都市が出現し、いわゆる「都市革命」が行われて、都市国家時代または初期王朝時代(前2700ころ~前2350ころ)を迎える。この時代のシュメールの大都市には、ラガシュ、ウンマ、ウル、ウルク、ニップール、シュルッパク、エリドゥが知られている。アッカド地方の大都市キシュもシュメールと密接な関係を有した。各都市はそれぞれ守護神を祀(まつ)り、君主はその守護神によって選ばれる主権の代行者であった。君主はエンシensiまたはルガルlugalとよばれた。ラガシュでは前2500年ごろウル・ナンシェ王朝が成立し、約150年間支配した。3代目の王エアンナトゥム1世の「禿鷹(はげたか)碑文」、ウンマとの境界抗争を記録した5代目の王エンテメナの「円錐(えんすい)碑文」、王位簒奪(さんだつ)者ウルカギナの「改革碑文」などは、表現に創意の満ちた優れたシュメール語作品といえる。ラガシュの行政・経済文書によれば、都市国家には手工業に従事した専門技術家(金・銀・青銅の細工人、宝石細工人、鍛冶(かじ)工、皮革製造人、毛織職人、漂白人、大工、船大工、指物師、陶工など)、専業分化した漁師(海、淡水、運河、沼、投網(とあみ)の漁師)、遠距離通商に従事する商人などがいて、神殿の分割地を与えられていた。これらの人たちは神殿直轄地の経営に参加し、運河、池溝、堤防の開削・修理、城壁の建造その他の公共事業に従事した。家畜では、ウシ、ロバ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどを飼育するそれぞれ専業の牧者が知られている。穀物は大麦、エンマ麦、小麦、野菜は多数のタマネギ類、豆類、キュウリその他を栽培した。30種類のビールは主として大麦、エンマ麦からつくられている。[吉川 守]

ウル第3王朝

前2350年ごろ、キシュ市出身のサルゴンが新都市アガデ(アッカド)を造営し、シュメールのルガルザゲシを破ってサルゴン王朝を樹立した。シュメール・アッカド地方を一体とする領土国家アッカド王国(前2350ころ~前2150ころ)の出現である。約200年後、アッカド王国はザーグロスの山岳民族グチ人の来攻を受けて滅亡し、その後90年間メソポタミアはその支配下に置かれた。前2060年ごろ、ウルク市の王ウトゥ・ヘガルがグチ民族の支配からシュメール・アッカドを解放し、その臣ウルナンムがウル第3王朝を樹立した。ウルナンム王は官僚組織による集権的専制政治を行い、世界最古の法典(シュメール語で書かれたウルナンム法典)の制定者として有名である。アッカド王朝時代に隆盛になった世界貿易はこの時代にいっそう拍車がかけられ、属州制による統治方式も採用されて、国王は「四方世界の王」と称した。5人の王の支配ののち、セム系民族アムル(アモリ)人の侵攻を受けて滅亡し、シュメール民族は政治的に歴史の舞台から姿を消すことになる。やがてシュメール・アッカド地方はバビロニアとよばれるようになった。それまでメソポタミアにおいて一種の公用語の位置にあったシュメール語にかわって、アッカド語が使用されるようになるが、シュメール文学、シュメール宗教文書などはこの時期に一斉に文字化されるようになり、シュメール語学習のための文法書、語彙表などが作成され、シュメール語文書の翻訳などが行われた。イシン・ラルサ王朝時代(前1950ころ~前1700ころ)、バビロン第1王朝時代(前1830ころ~前1530ころ)にシュメール語で書かれた粘土板文書の内容は多種多様、膨大な数に上る。いずれもシュメール文化の水準の高さを示す貴重な資料である。[吉川 守]
『N・クレマー著、佐藤輝夫・植田重雄訳『歴史はスメールに始まる』(1959・新潮社) ▽ヘルムート・ウーリッヒ著、戸叶勝也訳『シュメール文明』(1979・佑学社)』

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