ユリ(百合)(読み)ユリ(英語表記)Lilium; lily

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ユリ(百合)
ユリ
Lilium; lily

ユリ科ユリ属の植物の総称であるが,ユリ科の他の属の植物にも…ユリの名で呼ばれる植物は多い。ユリ属は世界で約 100種が知られているが,北半球の温帯に多く,特にアジアには約 60種あり,北アメリカ,ヨーロッパがこれに次ぐ。日本には約 15種があり,中国や朝鮮との共通種が多い。花が美しいので古くから観賞用に栽培され,多くの園芸品種がつくられている。多年草で地下にゆり根という鱗茎があり,初夏から夏にかけて,茎の上部に総状に美花をつける。おもな日本の自生種としてヤマユリ (山百合) L. auratumササユリ (笹百合) L. japonicumテッポウユリ (鉄砲百合) L. longiflorumオニユリ (鬼百合) L. lancifoliumクルマユリ (車百合) L. medeoloidesスカシユリL. maculatumなどがあり,それぞれの種から多くの園芸品種がつくられている。特にテッポウユリは花卉として花屋に最も普通にみられ,Easter lilyとして輸出もされている。

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百科事典マイペディアの解説

ユリ(百合)【ユリ】

ユリ科ユリ属の総称。北半球の温帯を中心に約100種あり,日本には15種が自生。観賞用に栽培されるものも多く,また多数の園芸品種が作出されている。多年生で地下には鱗茎があり,茎は直立する。葉は線状披針形で互生し,ときに輪生。花はふつう大型で漏斗(ろうと)状または鐘形,花色は白,淡紅,紅,黄などさまざま。花被片6枚,おしべは6本で,葯(やく)は花糸にT字状につく。ユリはふつう,テッポウユリ類(テッポウユリ,ササユリなど),ヤマユリ類(ヤマユリなど),スカシユリ類(スカシユリ,ヒメユリなど),カノコユリ類(カノコユリ,オニユリクルマユリ,タケシマユリなど)の四つに大別される。テッポウユリは琉球列島に自生し,高さ1mにもなる。花はらっぱ形,純白色で芳香が強い。4〜6月,開花。明治初期に欧米に紹介され,愛好されている。ヒメユリは各地にごくまれに自生。茎は高さ30〜80cm,花はだいだい黄色まれに赤色となり,5〜6月,開花する。カノコユリは四国,九州に自生。茎は高さ1〜1.5m,花は白色で淡紅色を帯び,濃紅色の斑点がある。6〜8月,開花。白色花もある。タケシマユリは韓国の鬱陵(うつりょう)島にはえ,高さ1〜1.5m,花は鮮黄色で,6〜7月,開花する。ウバユリクロユリは別属。なお,オニユリ,ヤマユリなどの鱗茎は食用となる。
→関連項目球根万葉植物

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世界大百科事典 第2版の解説

ユリ【ユリ(百合) lily】

ユリ科ユリ属Liliumに属する植物の総称。観賞価値の高いものが多く,単子葉植物中,最も大きな花をつけるもの,強い芳香を放つものを含む。洋の東西を問わず,古来より観賞用,薬用,ときに食用として利用されてきた。ユリの名は,大きな花が風に〈ゆる〉,あるいは球根の鱗片が〈より〉重なるところから変じたものといわれ,漢字の百合も多くの鱗片の重なりぐあいからきたといわれる。
[形態と分類]
 地下部に葉の変形した肉質の鱗片とその中心の短縮茎からなる球根(鱗茎)を形成し,ふつうその上下から根を出す。

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世界大百科事典内のユリ(百合)の言及

【聖告】より

…通常,本(聖書)を手に瞑想にふけるマリア(その前に祈禱台が置かれることもある)のかたわらに,突如ガブリエルが舞い降り立った場面として表現される。ガブリエルは神の使いとして棒,笏またはユリの花を携え,マリアに向かってうやうやしくひざまずく。聖霊の象徴として鳩が父なる神よりマリアの頭上に一直線に飛んでくる(マルティーニ,1333,など)。…

※「ユリ(百合)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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